Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

悪阻

2007-12-12 | 想い・雑感
かつてのホームドラマで
若い女性が会話の途中で
急に吐き気を催して
洗面所へ駆け込む
などという場面を時々見かけた

ドラマの中で
当人の妊娠に気づかされる場面である
あまりにステレオタイプの演出に
辟易としたものだが
現実の医療場面では
当人が妊娠に全く気づかず
体調不良で受診されることはまれではない

「若い女性を見たら妊娠と思え」
などとよく言われたものだが
診療上の注意喚起としては妥当だろう

腹痛 食欲不振 嘔気 その他の症状に対し
検査を行ったり
薬を処方したりする場合
当人の体内に新たなる生命が宿っているか否かは
重大問題である

救急外来などで
当人が絶対妊娠はない
ということで危うくレントゲンを撮りかけたことは
一度や二度ではない

妊娠可能年齢の女性診療に気を使う所以である

ちなみにこのつわりであるが
病名となると妊娠悪阻(にんしんおそ)となる
見るからに気持ち悪さが伝わってくる感があるが
もともとは「つはる」という言葉からきたものだそうで
つはるとは新たなる生命の徴が現れることを指すとのこと

そういう風にいわれれば
つわりという言葉のイメージのなかに
喜びの感覚も含まれてくるような気がしてくる
つわりの経験のない 
 経験のしようがない
私が言うのもなんですけどね・・・