モニター画面を流れゆく
心電図波形
形が崩れても
リズムが乱れても
心臓の発する電気信号を拾い
何らかの波が現れ 流れていけば
時がずんずん進んでいることを
実感できる
心臓が静止すれば
心電図の波が消え
僅かな基線のゆれを除けば
心電図が一本の線になる
線も動いているはずだが
目には動いているように見えず
病室の時が止まったかのように感じる
でも時は
ずんずん流れている
流れに乗って
いままであった命がどこに行くのか
その心は存在しどこかに流れていくのか
はたまた留まるのか
だれにもわからないけれど
そんなことはお構いなしに
時は
ずんずん 流れ行く