小林繁

あっけないものですね

小林繁氏が
急逝

かつて
巨人　大鵬　卵焼き
というもっとも一般的少年であった私は
振りかぶったとき
体が少しかくっと下がり
サイドスローで投げ込む氏の姿に
かっこよさを感じた

空白の一日事件以来
巨人にも
野球にもなんとなく興味を失い
今ではほとんど
野球中継を見ることなどない

阪神に移ってからの
氏もまたかっこよかった
縞のユニホームが
これまた似合った
だからと言って
阪神ファンになったわけではないが
実にその姿はさまになっていた

５７歳で心不全

背部痛を訴えたというから
心筋梗塞
大動脈瘤なども考えられるのだろうが
ニュースでは
心不全としか出ていない

死因を詮索しても仕方のないことだが
今年もコーチとして活躍する予定だった
強い肉体をもった男が
５７歳で急逝してしまう原因とは何か
知りたい気がする

15年

15年前は
山間の町立病院に赴任していた
外科部長の官舎は
病院敷地に隣接しており
玄関を出て病院の建物内に入るまで２０歩程度
ほとんど病院に住んでいる状態だ

朝 通勤？して病院内に入ると
待合室のテレビのなかで
とんでもない大地震が関西で起こったことを伝えている

そしてその2ヵ月後には
やはり待合室のテレビが
東京の地下鉄での惨事を伝えることになる

なんとも痛ましい出来事が連続した
年明けだった

あれから15年
あっというまに月日は経ったが
深く深く傷を負ったままの方が
まだたくさん居られる

時間が必ずしも
解決してくれない嘆きを抱えたまま
生きていく

思い出すとまだ傷が痛む
いや　そのときより
強く痛むかもしれない

でも
生きていく

連続した二つの出来事に関係した人に限らず
ほとんどの人は
そのような傷を　痛みを　守りながら
生きていく