Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

転移

2012-07-04 | 胃の診療
音楽グループにしろ会社にしろ、組織が大きくなれば勢いが出てくると同時に、まとまりを維持するのが難しくなる。胃癌も、大きくなるにつれ勢いが増すと同時に、一所に収まらずよそに分派を作るようになる。転移を起こすわけである。●転移を起こす際には、大元の組織(原発巣)を離れるわけだが、(イ)離れた後血液の流れに乗ってよその臓器へと陣地を広げていくのが血行性転移、(ロ)リンパ液の流れに乗ってリンパ節という関所を占拠していくのがリンパ節転移、(ハ)胃の壁の外に癌が顔を出し、そこから直接腹膜へと散っていくのが播種性転移である。●転移を起こすと、がん細胞を体から完全に排除し、根治に持ち込むのが困難になってくる。だからこそ癌が小さいうち、転移を起こしていないうち、早期のうちに見つけるのが得策。そのためにはやはり検診が必要。全く胃の内視鏡を受けたことが無い人は是非一度受けて欲しい。●「癌になったらなったときのこと」とのん気に言えるのは、まだ癌と診断されていないからですよ。なんの症状もない人に、すでに癌があるなんてことはちっとも珍しいことではありません。なんせ日本人の約半分は癌になるのですから。そして胃癌は日本人が患う癌の代表選手ですから。

表情

2012-07-04 | 想い・雑感

大腸癌が再発し
数年に亘り抗がん剤治療をうけていたCさんは
半年ほど前から
もう化学療法は受けないという決断をした

選択できる薬剤がなくなってきたことも一因だが
治療に費やされる時間と費用を
他のことに向けたいとの想いもあったようだ

ここにきて
ぐっと体調が落ちてきている
今回の入院が最後になりそうだ

疲れを滲ませた無表情なその顔に
山の話などをにこやかに語っていたときの表情を
少しだけでも届けてあげられないものだろうか