Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

遠雷

2012-07-06 | 想い・雑感
天気予報を見ると
なかなかきわどい予報だが
何とかなるさと
自転車通勤

職場に着く少し前にに
ぱらぱらと降られたが
問題なく到着

午後には少し降っていたが
帰るときには
上がっていた

自転車にうち跨り帰途に

自宅まで1.5km位のところで
遠雷が聞こえる
空を見上げると
明るさがあるので
もう少し大丈夫だろうと思いつつ
ペダルを回す足に力が入る

あと1km
うん?
しずくが頬に

いかん!!
キコキコ キコキコ
あと300mくらいで
強く降り出したが
何とか到着
きわどい 生還でした

遠雷が 帰路につく背を 後押ししてくれました

最後まで

2012-07-06 | 想い・雑感
末期がんの患者さんに対し
代替医療と銘打って
治療方法をアピールする人が
世の中にはたくさんいる

患者さんの体調を整えるといういみでは
ぜひ取り入れてみたいと思う
代替医療もあるが
癌治療という意味で効果があると思われるものは
いまのところほとんどない

それでも
真摯に治療を進め
そして最後まで目の前の患者さんに
付き合い寄り添う気持ちでやってくれているのならまだよいが
「効果ありまっせ!!」と宣伝している治療方法で
うまくいかないとわかると(うまくいかなくて当然のものが多いのだが…)
こちらの治療では無理なので
医療機関で対応してもらってくれと放り出す

そんなところが少なくない

私は外科医だから
手術技術を高めるために努力してきたつもりだが
手術はあくまで治療の一手段であり
手術ができない状態の患者さんだからと言って
放り出さないと決めてやってきた
抗癌剤治療 緩和ケア 栄養サポート…
患者さんが望めば 最後まで付き合う
それがわたしのやり方

だから
効かないとわかれば放り出す姿勢に
強い憤りを感じる

でも仕方がない
宣伝しているやり方以外の術を
知らないのだから

ただ
治療しなければ家庭で過ごせる時間が
2か月程度と思われる進行胃癌患者でも
きちっと抗がん剤治療を行えば
10か月くらい家庭で過ごせた可能性があったと考えた場合(これは統計的事実)
結局2か月しか家庭で過ごせなかった
代替医療を選択した人を思うと
あやふやな治療方法で患者を集める人間の罪は重いと思う

尿管狭窄

2012-07-06 | 胃の診療

腹腔内は腹膜という薄い膜に覆われています。背中側の腹膜よりさらに背側にある臓器を後腹膜臓器といい、大動脈、下大静脈、膵臓、腎臓、尿管その他があります。胃癌がこの後腹膜方向へ進展していくことがあります(後腹膜浸潤)。❥その浸潤に伴ない胃癌の治療上特に問題となるのが、尿管狭窄です。癌の後腹膜への進展に伴ない尿管が締め付けられていくわけです。尿管は腎臓でつくられたおしっこを膀胱へ運ぶ管。それが詰まってくればおしっこを体の外へ出せなくなり急性腎不全となります。❥検査上腎機能低下が明らかになるのは、尿管がいよいよ狭くなってからですから、一旦悪化し始めると短期間のうちに一気に急性腎不全へとなってしまいます。そうなった場合、尿管の中に細い管(ステント)を入れてもらいます。それにより尿の通り道を確保するわけです。ステントを入れるのは膀胱鏡というカメラを膀胱に入れ、尿管の出口を確認して入れるので手術は必要ありません。ただ、見つかるのが遅れて、尿管が完全に締め付けられてしまいステントが入らない場合は、背中から直接腎臓に管を入れる(腎瘻)必要があり、これは手術が必要です。❥腎不全になれば命にもかかわりますし、抗がん剤の使用もできなくなります。進行癌で後腹膜浸潤が疑われる場合には、常に尿管狭窄の可能性を考えておく必要があります。