蓄音機

子供の頃我が家にあったラジオ付き蓄音機
スイッチをひねると
じわりと真空管が光りだし
少し時間が経ってから音がスピーカーから
聞こえてくる

真空管は発熱するので
長時間つけっぱなしにしていると
木製の蓄音機全体が熱を持ったようになる

深夜放送
特に
糸居五郎　ひで坊　カメ　などのパーソナリティを揃えたオールナイト日本がお気に入りの少年は
深夜１時を待ちかねてスイッチオン
聞いているうちに夢の中
朝になり暑―くなった蓄音機を見た母に
何度となく小言を言われながら
ついつい夜毎にスイッチを回した

今ではほとんど見ることのなくなった真空管の製造を
松下電機工業が終了したのが
1979年の今日　7月31日とのことです

ときは流れた…　

太陽

太陽は
宇宙空間で
あまりかわることなく燃え続けているのだろうが
日本に住む私にすれば
季節により随分違う輝きのように感じる

強い日差しの夏には
どうしてもその直射日光を
何とか避けながら生活することになる

太陽のお陰で今の生があるというのは
わかっているのだけれど
こちらの都合で避けちゃって
太陽さんスミマセンね

ただ子供の頃は
なぜか真夏の太陽の下でも
平気で飛び回っていたんだけどなぁ

年齢とともに
外界の変化を跳ね返す力が
少なくなってくるんだろうねぇ

夏ほととぎす

林や　森の中に行かないと
鶯の声は聞こえないと思っていたが
朝　家の外に出てみると
川の方から鶯の声が聞こえる

気がつけば
身の回りに
多くの自然が息づいている

気がつけば
己の生を保ってくれる多くのものに
囲まれ　
支えられている

鶯の透き通った声は
日が昇るにつれ
元気な蝉の声にとって代わられる