癌が骨髄に広がり、出血傾向や著しい貧血などを引き起こす状態を、播種性骨髄癌症と呼ぶ。発症後の生存期間の平均は4~5ヶ月といわれるが、入院後数日から数週間で亡くなることも稀ではない。だから、診断がつけば、直ちに抗がん剤治療を開始する必要がある。だが、抗がん剤自体を使用できない全身状態のときもあるし、使用できて効果があったとしても根治は不可能である。◆この状態を引き起こす癌の中では胃癌が多い。内視鏡検査やCT検査などではそれほど進行していない、と思われるような患者さんに、播種性骨髄癌症を引き起こしていることも稀にある。また、術後10年経過してからの発症の報告もあるので油断はできない。◆頻度はそれほど多くない病態であり、その発症機序は解明できていない部分が多い。医療者側とすれば、その可能性を念頭において診療に当たる必要があるが、分かったところでできることが少ないだけに、説明するのもつらい。
癌が骨髄に広がり、出血傾向や著しい貧血などを引き起こす状態を、播種性骨髄癌症と呼ぶ。発症後の生存期間の平均は4~5ヶ月といわれるが、入院後数日から数週間で亡くなることも稀ではない。だから、診断がつけば、直ちに抗がん剤治療を開始する必要がある。だが、抗がん剤自体を使用できない全身状態のときもあるし、使用できて効果があったとしても根治は不可能である。◆この状態を引き起こす癌の中では胃癌が多い。内視鏡検査やCT検査などではそれほど進行していない、と思われるような患者さんに、播種性骨髄癌症を引き起こしていることも稀にある。また、術後10年経過してからの発症の報告もあるので油断はできない。◆頻度はそれほど多くない病態であり、その発症機序は解明できていない部分が多い。医療者側とすれば、その可能性を念頭において診療に当たる必要があるが、分かったところでできることが少ないだけに、説明するのもつらい。