
圓生の「覚え書」なのだが、下肥(しもごえ)のことが書いてあって、昔農家が下肥を持って行って、お礼に農産物を置いていく、なんて聞いた(読んだ)ことがあるのだが、圓生によれば、金を払って買っていくらしい。
「これが家主の収入になる。だから職人なぞは家主と喧嘩すると、「なにを言ってやンでえ、べらぼうめ。ぐずぐず言やアがると、長屋の手水場でおれア糞オたれねえから」
「職人などのが、いちばんいい肥料になったんだそうです。職人は金が入ると一杯飲もうなどと言って、うまいものを食べる。そういうこやしがいちばんきくので、下町のこやしの方が値が高かったそうです。」
時代にもよるだろう、幕末の頃だろうか、こういう話はとてもおもしろいなあ。