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映画 山桜 篠原哲雄監督  田中麗奈 東山紀之

2020年10月22日 | 映画・テレビ
  おもしろく見たのだが、まあそれでいいのかもしれないが、いや実は全然ダメなのかもしれない。もともと原作だという藤沢周平をおもしろいと思ったことないんだよなあ。この映画も、そのストーリー全体が全然おもしろくない。なんにも感銘を受けるものがない。悪者をひとり切ったからといって、悪い藩の体質がすぐ変わるだろうか?ストーリーに底の浅さしか感じない。
 細かいことが、それこそ数限りなく気に入らない。既婚の女がお歯黒でもなく、眉も剃らず、あるいは飢えているはずの農民のほおがこけてもいず、それはしょうがないのだろう。でもねえ。
 衣装がきれいすぎる。洗濯ばさみ?が美しかったけどほんと?うそくさい。畑の土がホームセンターで買ってきた「野菜がよく育つ土」としか見えない。鍬の使い方はここでは問わない。農民の衣装もただつぎはぎにすれば貧しさを演出できると思っているふうが気に入らない。農民が田んぼのわきに墓を作るかなあ。あの立派な木を削った墓ってのは考証されているのだろうか?ひらがなで俗名を筆で書くだろうか?百姓って普段草履なんて履けたっけ?大根?が細くやせて貧相で、それだけは感心した。
 桜の花びらの着物が美しくてそのデザインのモダンなことにすごーく感心したけれど、だから、そんなの絶対なかったと思うなあ。そもそも田中麗奈がキレイでそれだけの映画だけれど、あの夫婦の人間関係がうそくさい。こんなのぜったい許されないと思う。正義のヒーローかもしれないが、それに惚れる要素が何にもない。獄に何ヶ月もつながれていてヒゲや月代をずっとキレイにしているなんてあり得ないだろう。でてくる道がすべて重機で平らにしたとしか見えない。水戸黄門だったら野道の真ん中だけ草が生えていて、なんだよ、それは日々四輪車が通ったあとじゃあねえか、と思っても水戸黄門なんだからいいけどさあ。そうだ。この映画というか原作なのか、ただの印籠をもっていない水戸黄門じゃないか。こういうヒーロー願望は地獄への道につながっていると思う

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