ここは本殿への門である。朱塗りの門の中は昔ながらの無垢の
木造建築。本殿内は写真撮影禁止なのだ。
この門を入る手前に片山社という開運・家庭円満・良縁・子宝の
神様の社があり、私が本殿へ入る前に「ここでお参りして行きなさい!」
と呼びとめているではないか・・・「でも、お賽銭は本殿に入れたい
ので、また後で・・・」と進んでしまった私・・・後で分かった事だが、
ここでは本殿にお参りする前に片山社でお参りするのが、慣わし
らしい。きっとそれを教えてくれたのね。一礼だけして通り過ぎた
私。呼ばれている事にあんなに気づいていた私にもびっくり
本殿に入ると、他の神社と違い、要である本殿が見えないのだ。
見えない所でお賽銭を入れて、ご挨拶をするが、何だか・・・
ちょっと不満。その横に特別拝観500円と書いてある。
近くに居たお守り等販売している宮司さんに(実は神主さんだ)
拝観の件を尋ねると・・・どうぞと笑顔で随時案内して
くれるという。宮司さんだと思っていた私は、御手洗いの場所
を尋ねたり、荷物(傘と大きなバスケット)を預けられないか?
聞いたところ、心よく荷物を2つも預かってくださった。
→ちょっと異例かも
お守り販売の笑顔が素敵なおじ様はお話好きで、いい感じ
だな~、親切で来てよかった。と思っていたら・・・あれれ?
神官(神職)だそうな・・・荷物まで預かってくれて、感謝
500円を払って、靴を脱いで、本殿脇から入ると、氏名・住所を
紙に書いた。家族の名前も書いて、箱の中に入れておくように
言われた。後で神様に厄払というかお焚き上げをしてくれるようだ。
「わ~、親切ですね。」と喜ぶ私。
昔ながらの神主さんの正装をした神職の人が現れて、
中に入って、展示物などをご覧になってお待ちくださいと言われる。
中に入ると、雷神様だろうか?天に輝く光の日本画が目に入る。
ここの祖となる賀茂一族の物語を日本画で表わして飾られている。
他に2名の女性も現れて、3人で神主さんのお話を聞く。
その後に本殿内に入るために、お祓いをしてくれた。
これは本殿内に邪気を持ち込まないため、神聖な場所を
保持するための事だと思われる。お得なサービスだと思い、
またまた喜ぶ私。
ここ一帯を支配していた賀茂一族のお嬢様がある日、川で
赤い矢を拾ったそうな。その矢を枕元に飾って寝ると、
子を身ごもってしまった。その子が生まれて、ある日、お前の父は
誰か?と祖父達が尋ねると、天の神であられます、と子供は天に
昇って行ってしまったそうだ。という一族のお話。
その子供に会うためには、葵祭りという馬を引いた行列をした祭り
の時にだけに、その子供が天から降りてくるそうだ。。。
へえ~。マリア様みたいだ。
というか、自然に妊娠しちゃうなんて・・・困るな・・・とか自分に
置き換えて考えてしまう私。
神主さんの案内で本殿にお参りする。私はここでも500円を
お賽銭として入れた。お願いをうるというより、ここに来られた事
を感謝してご挨拶するに留まった。
それから上賀茂神社の建物の説明・歴史の説明をわかりやすく
ざっとされた。ここの屋根はすべてヒノキの皮なんだそうだ。
それで、ヒノキの皮を21年に一度屋根の葺き替えで、大量に
要すること、その費用も莫大な事がわかった。その葺き替え前の
ヒノキの屋根は土に返すので、先人の知恵は素晴らしい
いつから?人間は自然の摂理に反した生活を始めたのだろう。
ここの上賀茂神社の雰囲気・気は自然のパワーを沢山感じた。
いい感じ。この一帯もいい感じなのだ。
すると・・・神主さんが、上賀茂神社の神様は自然なのです。
自然を大切にしていきたいと思いますね。とお話してくれた。
あ~私は導かれて一人でココに来たんだな・・・と思った。
荷物を預かってくれた神主さんに神戸に出張で来たので、
わざわざ来てよかったです。と言ったら、本当にココまで来て
くれるのは、わざわざになっちゃうんですよ。わざわざお越し
くださり、ありがとうと言われてしまった。
私が昔、葵祭りの扇子を会社でもらった事があるので、前から
興味がありました、とお話すると・・・あれっつ?○さんですか?
いつもお世話になっております~。って神主さん。50代だから
偉い人だと思うけど、このフレンドリーさ。
この本殿案内のサービスとか、このフレンドリーさはすごい
いいですね。とお話すると、上賀茂神社は全国で8万?8千?
かの神社の頂点の神社だそうだが、そんなお高く留まって
いるのは、良くないってことになりましてね~。フレンドリーさ
を心がけることにしたんですよって。
また、会社の方やご家族とお越しくださいね。会社の方に
よろしくお伝えください。と、とっても普通の神主さん。
わざわざ来てくださって、ありがとうございます!って、
ちょっと京都人的なウィットある会話もあって、面白い。
こんなにフレンドリーだと寄付も弾みたくなっちゃうな・・・。
近くに神官達が住んでいた、社家町という街並みがあって、
それは趣があるそうだ。ただ、神主さんにそこに住んで
いるのですか?と聞くと、皆さん今は洛中とか市内に
バラバラに住んでますよ。って・・・ちょっと俗っぽいけど。
日本の頂点にある神社が自らフレンドリーさを心がけて
世界遺産であるこの神社を維持していくのに、大変努力
している様子がひしひしと伝わってきた。また伺って、
屋根のヒノキの皮の寄付をしてこようと思います。
ありがとう、神主さん。