山上の秋 2020年01月28日 | 春を呼ぶ朝 翌日は常念岳~燕岳へ縦走の予定であったが、天候が回復しないため断念! JR穂高駅から帰京した。 大村正次著「春を呼ぶ朝」―真珠― 山上の秋 暮れかゝる秋の山脈(やま)は 平野につゞく谷谷に ほそぼそ炭焼きの煙をあげ 夕闇はそこから這ひ上がる。 ひそひそと這ひ上がる。 雲間を離れた夕陽のスクリンは まぢかの山の斜面を射(さ)し あゝいちめんの芒原 光る若芒― 暮れ行く巨大な黒馬の背に さんさんと流れる銀の鬘だ なんといふすばらしい山の騎士のあいさつであるか 山上を落つる日よ。 さらば俺達は暗い麓の家へ帰ろ。 小さい燈明(あかり)のついた家へ帰ろ。