屯田物語

フォレスターとα6000が
旅の仲間
さあ、カメラを持って
出かけよう!

ATH-CKR50 を購入した。

2020年01月11日 | ダイナブック
手持ちのイヤホンが断線?したせいか片方の音が聞こえなくなって、ビッグカメラでATH-CKR50を購入した。店頭でスマホにつないで試聴してみたが満足である。
ブルートゥースのイヤホンは充電が煩わしくなって、自宅のPCは有線のほうがいいと思った。

凶 電

2020年01月10日 | 春を呼ぶ朝


大村正次著「春を呼ぶ朝」―神様に召される前
―逝ける妹ふさ子の霊に捧ぐ―

  凶 電

 やはり死んだ、 ふさ子は。
 どうせいけないとわかってゐても
 若しかしたらと心の隅のどこかに
 誰しもがつなぐあはれな希望のぞみの糸、
 細いけれど妙に断ちがたいその糸が
 急に ふつつり切れた時のさびしさ、
 再び返らぬものへの涙ぐましい思慕が
 しんしんとそこからうづいて來る。
 俺の仕事がなんであろ。
 なぜもう一度顔を見ておかなかつたろ。
 ふさ子はもう死んだのだ。


人見東明
(↑クリックで人物紹介)
御高著ただ今拝受直ちに拝讀致し、ふかい感激を感じてゐます。かゝる詩境に生き得る大兄に心からの敬意を表したいと思ひます。

通 夜

2020年01月09日 | 春を呼ぶ朝


大村正次著「春を呼ぶ朝」―神様に召される前
―逝ける妹ふさ子の霊に捧ぐ―

  通 夜

―それは死ぬ直ぐ前の日曜のこと
 ふと寝てゐた頭をもたげ
 今日 兄さんが歸られぬかしら
 しきりにいただよ。
 (おゝ 今朝けさから竈の火がぼうぼう云ふから歸るかもしれん)
 煮えた重湯を下ろしながら母は答へただよ。
 あの子はよろこんで寝たよ。



 高村光太郎

あなたの詩をはじめてよくよみましたが。今朝秋晴の中で十五頁までよみ、この生きた心の匂につゝまれました。もっとよみ味ひたいと思ってゐます。

 杉江重英 (←クリックで人物紹介)

「神様に召される前」四編はいづれも肉親の死の前後をうたつたものであるが、この四編はどれもよい。
中でも「通夜」「八文字柿」「神様に召される前」は特によいものだ。


不思議の人・詩人大村正次先生 「巨人」

2020年01月07日 | 大村正次



天空の城・竹田城跡登攀に際して

「日本海詩人」第五巻八月號より



  巨 人
            大村正次
 岬――
 山脈やまの手がこんなところにきりたってゐた
 そいつはごつごつした甲羅のやうな指だった
 海は黙つて 深淵をめぐらし
 ときをり
 眞青な心臓をぶつつけた

(1930,8,9,阿尾の岬城址にて)

摂津国の怪人



天空の城・竹田城

2020年01月06日 | 摂津国の怪人


竹田城は室町時代山名宗全によって築かれ、その家臣太田垣氏が城代として長年治めた。室町、戦国時代に、但馬、丹波、播磨との国境の要衝地域にある為争いの地となった。

今は建造物は残っていないが、近年は雲海に浮かぶ城として天空の城」「日本のマチュピチュ」として知られている。

摂津国の怪人




梅雨空

2020年01月05日 | 春を呼ぶ朝


大村正次著「春を呼ぶ朝」
―稱名瀧―

  梅雨空

 降つても降つても晴れあがらぬ
 梅雨空。
 ずぶぬれの子が庭の隅で泣いてる。

 湿つぽい感情の空気が
 部屋を閉ぢこめ、
 握りこぶしが汗おとす
 鬱憤の日だ。

 誰か あの灰色の雲を突き破つて
 太陽のやうに
 哄笑するものは居ないか。

鐵炮百合

2020年01月04日 | 春を呼ぶ朝
大村正次著「春を呼ぶ朝」
―稱名瀧―

 鐵炮百合

今日は 部屋の机に
鐵炮百合の鉢が座って
圍爐裡の薬罐を見下ろしてゐる。
もう仲直りが出来たのだ。
婆さんの神経痛が横になり
爺さんの中風が茶を呑んでゐる。

なんといふ白つぽい、つつのながい花だらう―
喧嘩の種の鐵炮百合。

一つの花は右向、一つの花は左向―
奇態な二提の鐵炮だ。
それはラッパのやうに砲先つつさきをひろげ
白い虚無をみせてゐる。

老人としより達は二人きり
もらつた子供も出ていつた。
だるい 風のない 人生の午后。

遠 景

2020年01月03日 | 春を呼ぶ朝

大村正次著「はるを呼ぶ朝」
―真珠―

 遠 景

霜の朝
霜枯畠の長芋蔓ながいもづる
褐色の手をぶら下げて
かぢかんでゐる

霜枯野原に君一人
さみしい初冬ふゆの遠景ですね。


令和二年の元旦は、近くに住む息子夫婦が来宅し、共におせちを戴く。お嫁さんは婚家でのしきたりに従い、その後息子と四国の実家に嬉々として向かった。
あとに残された老夫婦は恒例の「初詣」に向かうのであった。

摂津国の怪人

「ふだんぎ」 71

2020年01月02日 | ふだんぎ

旭川東の何人かの同期が「ふだんぎ」に投稿したと聞いたので、10月の同期会のとき則末君に本を送ってほしいとお願いしていた。

田辺君の「バイクツアーin北海道」が臨場感たっぷりで面白かった。わたしも12年前に苫小牧を起点にして北海道の海岸線(右回り)を一周(13日間-3000キロ)したので、彼のタイトな行程には驚いた。文中に出てくる地名のひとつひとつに懐かしさが蘇えってくるようだ。
岡田先生の「雪江叔母と芳子叔母(三)」を読みおえて、先生のご両親は面倒見がよく気持ちのやさしい方であると思った。わたしの妻の両親もそういう人だったので、「よくよく人の集まる家でした」と述懐された岡田先生のお母さんの言葉に深く共感を覚えた。