古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

みんなちがってみんないい。

2010年05月08日 05時11分11秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
 朝から雨です。山仕事も畑仕事も散歩もできません。それできのうブログでふれた保健衛生委員の方のお宅を訪ねました。田舎暮らしではぼくより一年先輩になり(定年退職後すぐに行動を起こされたのでぼくよりひと世代お若いのですが)、絵に描いたような田舎暮らしをしておられます。
 お訪ねしてまず目についたのが庭先の手押しポンプです。ちゃんと生きているポンプで、軽く押すときれいな水が出ます。鉄分が多くて飲用にはならないそうですが、植物には素敵なミネラルウオーターでしょうね。
 手押しポンプでバケツに水を汲んで、ひしゃくで庭木や花に水をかけてやる。夏は庭先に打ち水をする。キュウリやトマトやスイカをとってきたら冷たい井戸水をタライに汲んで冷やし、おやつに食べる。冷蔵庫や水道ホースの散水とちがい、なんともいえない情緒があります。
 不動産情報でこの民家を手に入れたとき、井戸が生きていることを確かめ、まず買ったのが手押しポンプだそうです。「よく売ってましたね」ときいたら、地元のナンバというホームセンターにはあったそうです。さすが地域密着のホームセンター! 
 しっかりしたつくりの民家に入らせていただきました。玄関は広い土間をエル字型に囲む上がりかまちがあります。長年使い込んだ木の放つ存在感にしばし見とれます。上を見ると裸電球が天井に。西洋皿を逆さにしたような昔の電燈の笠がついています。
「空襲の灯火管制のときはこれに風呂敷を掛けて結びましたね」といいましたがこれは不発。ぼくが小学校(当時は国民学校といいました)に上がった昭和19・20年頃のことですからだれも知らない、か。「それにしてもよくこんな笠がありましたね」「倉庫に古いものが入っていて、整理したら出てきました。蛍光灯がついていたけどこの玄関にはこれが似合うと思って……」さすが田舎暮らしの達人!
「家をさがしてたときこの家に出会ってたら飛びついたでしょうね」と道子さん。きっとそうでしょう。家に帰って昼寝のあと裏の山を歩きウッドデッキでお茶を飲み、金子みすずの詩を思いました。
 “みんなちがってみんないい” ほんとにそうですね。 

 
コメント
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