古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

トイレ読書で読んでます。

2021年12月22日 20時45分17秒 | 古希からの田舎暮らし

 我が家のトイレには本棚があります。上の数十冊の本から「ちょっと読んでみよう」と思う本を、トイレにすわったときに取り出し、眼鏡を掛けて数分読みます。最近読んでいる本は、『アジア・太平洋戦争』(吉田裕 著/岩波新書/2007年発行)です。この本は広く読まれており、2021年で〈18刷〉になっています。これからも広く読まれ、「後世に残る歴史の本」になるでしょう。
 ぼくがこの本と出会ったのは、図書館の新書本の棚でした。借りた本を読んで、手元に置いておきたくなり、購入しました。そしてまた通読しました。いまはトイレですわるとき、眼鏡を掛けてアトランダムにひらいたページを読んでいます。
 内容はこのブログで紹介したので省略します。
 この本を書いた「吉田裕」氏の文章にふれてみて、「こういう人を歴史家というのだな」と思います。
 自分の人生であの戦争を体験した人の本はいっぱい読みました。しかし敗戦後生まれた人の本は、「この人は戦後に生まれて、あの戦争を体験していない」といくらか割り引いて読んでいました。
 しかし、「歴史家」というのは、残された資料を読み込み、体験/視点/情報の片寄り/のひずみを修正し、大局的な視点から見直します。吉田裕氏の文章に、そんな「歴史家」を感じます。数年後、数十年後にはあぶくのように消えてしまう「戦争のいいわけ・弁護の本」がいまでも出ています。そんな〈あぶく〉を超えて、この本は読まれつづけるでしょう。
 いま、NHKのテレビでは、深夜番組やBS放送で『映像の世紀』を再放送しています。20世紀は戦争の世紀でした。そして戦争では何も解決しませんでした。私たちがもっと賢くなるために、この本は役立ちます。広く読まれているのがうれしいです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする