104つの奇跡

見えてるのかな、これ?

あきらめたら、そこで試合終了だよ 2

2005年11月16日 13時54分57秒 | Comics
 さて、昨日公開しましたスラムダンクの個人的感想。今日はジャンプコミックスの12~15巻、海南大付属戦をば少々(結構不評みたいですが、やります)。

 何を隠そう、私はスラムダンクの中でもこの試合が一番好きなんです。ちなみに二番目に好きなのは豊玉戦、その次は翔陽戦(←かなり偏ってる)。では早速。


◇12巻:海南大付属戦その1
 のっけから海南の「常勝」の説明が入るので凄さがよく分かります。[ジャンプボール直後から牧が流川をブロック→流川が三井へパス→それを神がカット→神から清田へのパスを桜木がカット]とこの一連の動きが非常にスピーディーですね。セリフも圧倒的に少なく、動きだけで魅せるという手法は本当に上手いと思います。その後、シュート→ブロックという攻防が何度かなされる中、清田が桜木の目の前でダンクを決めるのですが、何かかませ犬なイメージ・・・。むしろ、その直後に赤木のゴリラダンクを目立たせるための布石のような感じがします(スラムダンク占いが清田だったのでちょい複雑・・・)。

 一方、別会場で陵南と武里の試合が行われているのですが、これはもう陵南の強さを誇示するもの以外の何物でもないですね。

 湘北vs海南戦も一進一退の攻防が続き、湘北は4点以上のリードを許さないという状況です。桜木もリバウンドを取りまくって、ついには神奈川No.1プレーヤーの牧伸一(上記画像では桜木の隣の白ユニフォーム)をマークに付かせます。が、ここで「君、何年?」発言が出ます。当然牧は「高校生」と返すのですが、桜木はなおも「ズルイぞ、OBを連れてくるとは!」と続けます。審判から私語が過ぎると注意を受けますが、牧は「赤木の方がフケてるぞ」発言を繰り出します。いや~、ここのやり取りがもの凄く好きなんですよ。この後、桜木はフェイクをかまして清田を抜いたりと活躍するのですが、海南側も黙ってはいません。

 桜木対策として宮益(160cm 42kg 試合経験なし 見た目ひ弱)を投入します。上手い演出ですね。どれだけ身体能力が優れていようが、初心者がいきなりエースになれるはずがないということが描かれています。詳細は是非ご自分の目でご確認ください。宮益によって、桜木はイージーシュートをも外しまくり、流れが海南に傾きます。そして宮益にフリーでボールが渡ります。上記にも書いてあるように、バスケット選手とは思えない体です。が、見事に3ポイントシュートを決めます。見た目では計れないという典型的な例ですね。ついに桜木はベンチに下げられてしまいます。


◇13巻:海南大付属戦 その2
 桜木がベンチに下げられたのが前半終了の6分前。リバウンド奪取率の低下は否めませんが、何とか奮闘します。特にセンターの赤木の負担は尋常じゃありません。そんな中、赤木がリバウンドボールを保持して着地した時に足首を怪我してしまいます。キャプテンでもあり、ゴール下の番人でもある赤木の離脱は非常に痛い。そこで安西先生は桜木を投入し、流川とチームを組ませます。この2人、普段はいがみ合っているのですが、結構連携はいいんですね。ですが、これだけでは終わりません。

 P80あたりからはもう流川の独壇場です。ここから約80Pに渡って流川がゴールを決め、シュートをブロックし、パスをカットしまくります。手始めに清田を抜き、高砂と清田のダブルも抜きます。挙句、牧をも抜いてダンクを決めた時には、読んでて鳥肌が立ちました。これで同点になります。ここまでカッコよさを表現できるものなのかと。前半の49得点の内、25点を流川1人で奪います。ありえない、でもカッコいい! 赤木も何とか戻ってきて、後半が始まります。ハーフタイムで清田が流川のマークに専念すると言っていたので、流川は中々活躍できません。ですが、赤木が渾身のゴール下を決めて、終了します。

 思えば、わずか10分弱の出来事なのに、一巻丸々使ってるんですね。キャプテン翼か?


◇14巻 海南大付属戦 その3
 赤木の復活で後半が始まります。湘北に流れが来たと思わせるのですが、ここで神奈川No.1プレーヤーの牧が本領を発揮します。前半は湘北のポイントガード、宮城が必死に止めていたのですが、疲労は隠せず、ここに来て牧が大爆発します。湘北一のスピードを誇る宮城を抜き去り、湘北で一、二のパワーを持つ赤木と桜木に真っ向から当たっても負けず、得点を決めます。わずか6ページなんですが、それで牧が最強だということが伝わります。牧を止めるべく、4人で当たるのですが、ここで海南の隠し玉とも言える神が出てきます。見た目は大人しそうで、線も細いのですが、なんと3ポイントシュートの名手。牧に4人も付くと、神がフリーになり得点。神にマークを裂くと、牧が自ら得点。点差は10点も開いてしまいました。ある種絶望的ですね。

 そこで、安西先生が動きます。牧が切り込んできたら桜木以外の4人がプレスをかけます。溜まらず神にパスを回すも、そこには桜木が控えています。この2人以外には決められても構わないという作戦なのです。ここで判明したのは、安西先生の采配が素晴らしいということではなく、牧の強さが改めて誇示されたということでしょう。「それだけの価値がある…あの牧伸一というプレーヤーには」という言葉はまさにこのことを表していますね。ここから湘北の追い上げが始まります。スラムダンクには名場面が多いのですが、このシーンは個人的に3本の指に入りますね。

 赤木がダンクを決め、桜木にカウンターのパスが回ります。ダンクを狙いに行くのですが、そこで牧がファウルを侵してギリギリで止めます。ダンクは決まりませんでしたが、ここで桜木のあのフリースロー(下から放り投げる)が初登場します。リック・バリーって人と同じ方法らしいのですが、よくは知りません。ちゃんと決まりますし、リックさんはこの投げ方でフリースロー成功率94.7%を誇ったらしいです。安西先生と海南の監督・高頭だけが気付いていました。

 一時は10点もの差が開いていたのですが、とうとう4点差まで詰めよります。海南サイドも宮益を投入してシューター2人で対抗します。湘北側も宮城を宮益に付かせて得点力を封じます。このまま膠着するかと思われたのですが、ここに来て流川のスタミナが切れてしまいます。牧に抜かれてシュートを決められますが、その直後、逆に牧を抜き返して三井の3ポイントをアシスト。15巻へ続きます。


◇15巻:海南大付属戦 最終
 14巻からのテンションは衰えません。牧は突き放すべくシュートを決めます。三井も溜まらず3ポイントを放ちますが、外れます。壮絶なリバウンド対決の後、桜木は相手ベンチに突っ込んでまでボールを追いかけます。それを流川が受け取り、ダンクを決めたのが終了84秒前。ここで流川は力尽きます。いや、もう息つく暇なんかないですよ。

 湘北側の消耗は深刻で、流川の他に三井も足が止まります。そして残り30秒、三井がリバウンドを取ってくれることを願ってシュートを打ちます。が、海南のセンター・高砂にボールを奪われます。しかし、着地を狙って宮城が弾き(翔陽戦の藤真と同じ戦法)、それを桜木が受け取りフェイクを交えて切り込んだのが20秒前。牧のブロックを弾き返してダンクを決めます。ここ、ジャンプコミックス15巻の82、83ページ。個人的にスラムダンクの中で一番好きなシュートシーンですね。しかも牧のファウルでバスケットカウントワンスロー。桜木はこれをわざと外して3ポイント勝負をかけるのですが・・・・・・結末は是非ご自分の目でご確認ください。かなり衝撃的でした。




 海南戦をダイジェストで感想(ってゆ~か主観)を交えつつご紹介しました。個人的にベストバウトなので思わず力が入りました。次は陵南vs海南かな? それとも一気に湘北vs陵南までいこうかな?