老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

1223;言葉を紡ぐ

2019-09-08 09:14:32 | メトロノーム
言葉を紡ぐ



昔は、くず繭(まゆ)を紡いだ糸で織った絹織物を紬と呼び、
江戸時代までは庶民の普段着であった。
くず繭であっても、出来上がり上品で素晴らしい着物になった。
紬は、太さがバラバラで均一でない紬糸を複雑に絡めて織っていくことで丈夫な着物が出来上がる。

デイサービスに集う老人たちも同様、
生活歴や躰の状態や性格は、ばらばらであり同じ人はない。
90歳を越えた人生の達人が多く、それぞれがマイペースであり、我が道を行く、といった感じである。

「紬」は、繭を紡ぐことから、「紡ぐ」という言葉を考えてみた。
「言葉を紡ぐ(想いを紡ぐ)」。
介護相談や介護のなかで、老人の想いや言葉に傾け、どう紡いでいるのだろうか、
「紡ぐ」という言葉から、ふと立ち止まった。