老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

52で逝った母の最期の言葉

2022-01-27 21:32:22 | 老いの光影 第7章 「老人のねがい」
1785 人生は短い



髪が抜け地肌が見えてきた婆様は
自分に昔の話をしてくれた

農家をしたことがなかった母は
農家に嫁いだ。

朝露で葉が濡れている刻から
陽が沈み手元が暗くなるまで田畑で
身を粉にして働いた

無理がたたり病弱になった母は
52歳の若さであの世に逝った
枕元で母は「 人生は短い」、と
その言葉だけをか細く話し
息を引き取った。

人生は長いようで短い
浦島太郎のように
気がついたときには
白髪の老いになっていた