『秋の空 鴉来りて 夜の明ける』
(あきのそら からすきたりて よのあける)
『秋刀魚食う 腸講釈に 苦さ増す』
(さんまくう ちょうこうしゃくに にがさます)
『カビに啼く 高松塚に 竹の春』
(かびになく たかまつづかに たけのはる)
『ビル風に 後押しされし 秋の風』
(びるかぜに あとおしされし あきのかぜ)
『露時雨 薄き頭に ただぽとり』
(つゆしぐれ うすきあたまに ただぽとり)
『鰯雲 やっと来たかと 空を見る』
(いわしぐも やっときたかと そらをみる)
『かくれんぼ ここに居るよと 鬼やんま』
(かくれんぼ ここにいるよと おにやんま)
『秋の雲 どこぞへ行くか 風に聞こ』
(あきのくも どこぞへゆくか かぜにきこ)
『秋風や 小悪党多き 小役人』
(あきかぜや こあくとうおおき こやくにん)
『鳶舞う あの青空へ 秋空へ』
(とんびまう あのあおぞらへ あきぞらへ)