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松本市街地の真中に四柱神社という由緒あるお宮があって、10月1日から三日間の例大祭が営まれる。
祭りは神道祭りと呼ばれ、近郷近在の人たちの楽しみの日でもあった。
境内に大掛かりな武者人形を飾り付け、サーカスが大テントを張り、見世物小屋が客を呼び、露店が軒を連ねた。
養蚕が盛んに行われ、繭の代金で農家の懐が潤うこの時期は、商店主にとっても大切な商機であったのだろう。
農家にとって、稲刈りが始る前のわずかな息抜きの時でもあった。
この祭りを境に秋は一気に深まり、冬に向って走り始める。
松本はここしばらく雨が降ったり、雲の覆われた日が続き、ついに暖房のスイッチに手がのびて「もうシントマツリだもんね」としんみり。