ムササビの巣穴を、自然な状態で観察してみたいというのが隼人君の希望である。幹に作られた巣穴は、入口から少し入ったところから直角に下に降りて、洞の低部がねぐらになっているらしい。
通常では暗くて狭くて内部の観察は出来ない。
内視鏡なら見えるかもしれないという発想から私に相談が来たのは今年の正月のことだ。
山中の木の幹のどうやって内視鏡を設置するか、電源はどうするか等ハードルばかりが気になった。
そこで先端に充電式のライトがついた、極めてシンプルな内視鏡を探してもらうことにした。
私の長い記憶の中にそのようなスコープは存在しなかったと思うのだが、類似品があって、運よく1週間ほど借りることができた。
しかし思ったように観察できるかどうかはまったくわからない。