春の雪が降っている、久しぶりの潤いである。
下駄が日常に使われていたころ、春の雪には難儀した。
粘着性のある春の雪は歩く度に下駄の歯の間に張り付いて、雪だるま式に厚みをまして高くなる。、
しばらく歩く間に、下駄の高さは天狗様の履く1本歯の下駄のように5寸(15センチ)近くにもなって立ち往生する。
電柱や石垣を蹴る様にして、溜まった雪を落とすのだけれど、春の雪は容赦なく下駄の裏に張り付いて来る。
仕方ないから下駄を両手にぶら下げて、足袋はだしで歩いた。
今日夕刻雪の降らない国へ立つ、4日間のボランティアである。