クチナシの花?
宿泊したホテルの前は夕陽が美しい事で知られるマニラ湾が広がる。
ホテル玄関の植込に咲く白い花はクチナシと勝手に決めたけれど、何となく薄汚れた感じがする空気の中に埋もれたのだろう
芳しい香りはなかった。
ホテルと湾岸公園の間を交通の激しい幹線道路が走っている。
数少ない信号付きの横断歩道を渡って、ヤシの並木が続く海岸公園に辿りつく。
しかし そこにはゆったりと落日を鑑賞できる場所はない。
もの売りや物乞いがたむろし、植え込みの陰にぼろを纏って横たわりながら目を光らす男や女がいた。
ポニーに引かせる二輪馬車がしつこく乗車を迫る、ガイドからこの手の誘いに乗ると非情に危険だと強く言われていた。
馬車で夕陽の海岸を揺れてゆくのも悪くないと思いつつも腰が引ける。
先入観とは恐ろしいもので、馬車曳きがすべて悪党に見えてくる。
以前来た時、馬車に乗って街を巡った、軽快な蹄の音を立てながら南の街の路地から路地を渡った。
私たちが所望した果物を求める為果物屋さんに停止し 、旨い果物の選び方を教えてくれて、その上店主に交渉し沢山のおまけをつけて貰った。
そのことで 私とフィリッピンの距離が一挙に縮まって、今度の5回目の訪問につながったのだろう。