湖畔の白鳥の親子
太陽を追うように西に向かった往路と逆に、太陽の向かって飛び続ける復路は、時が慌しく過ぎて7時間という時間がどこかに消えてしまった。
閑職とはいえ10日間の留守中に折り重なって溜まっていた雑事を取捨選択し整理した。
旅行にパソコンを持参したのだが、未熟さ故に国外からのインターネットはつい花咲くことはにはなかった。
時速900キロで約12時間飛続けて着いた所は、一見日本と大差ない森と緑の大地がひろがっていいた。
会場のリカフォーラムはスタバンガーの中心街から外れた静かな湖の近くにあった。
開場に少し間があったので、湖まで足を伸ばした。
湖畔の草地に天然の白鳥の親子がいた、このあたりは冬鳥たちの繁殖地であるらしい。
松本の周辺に飛来する白鳥の繁殖地ではないかもしれないが、春に先だって北へ帰る白鳥の群れを見送ったことがある。
その時、白鳥達の行く先は、遠い想像もできない荒れ果てた地の果てと思っていた。
しかし この地で白鳥は人と共存し、人を恐れず、優雅に子育てを楽しむふうだった。
確かに羽の色は茶色で「醜いあひるの子」と言えなくもないが、やっぱり白鳥の素性は隠せない。
白鳥の子育てをこの目で見ることが出来、本当に遠くに来たことを実感した