色変わりが進むアジサイ
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梅雨の雨が降りしきる朝、葉が幾重にも重なり光が遮られたブドウ畑は鬱蒼とてほの暗い。
拳ほどに育ったデラ葡萄の房が洞窟の蝙蝠のように息づいていた。
ある畑では、房に日を当てる為に摘み取られた若葉が棚の下を埋め尽くして、収穫が近いことを思わせた。
梅雨が明ければ程なく出荷の最盛期を迎える。
山菜のてんぷらを供することで有名な山の温泉宿で、山葡萄の若葉のてんぷらを薦められた、癖のない葉物の揚げ物なのだが、かすかな酸味が舌に残った事を思い出した。
よんどころなく主が変わった温泉宿に、今でもあの酸味が残るてんぷらは残っているだろうか
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