芽吹き
枯れ木のような枝の節々から、薄紅をさした新芽が一斉に活動を始め、種なしデラの棚下は緑色に変わった。
枝の1本1本がまんべんなく棚の支線に結びつけられている、これは農家の大切な冬仕事である。
これから天候を見ながら収穫の8月まで葡萄農家は農作業に追われる日々が続く。
花房が伸びて開花し受粉したころ、上を向いて一房一房を着色した薬液に浸すジベ処理をする、勿論全て人力である、これにより種子の発育が停止する。
薬剤の着色は、未処理の房を見分けるためである。 終日にわたる上向きの作業は苦行だという。
処理が終わった緑の葡萄粒は日毎に成長し、米粒が小豆になって、まもなく大豆大になり、更に成長して紫の葡萄色に変わる。
収穫まで後三ヶ月位だろうか
実りのころ農道を通ると甘い香りにむせるほどである。
間もなく来るであろう初秋の香を吸い込む時、世の中何かがきっと変わっているのだろう、変わらない方がいいと思ったり、変わって欲しいと願ったりする。
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