回転陽極X線管(フィリップス製)
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最新の回転陽極X線管がどんな形か知らないけれど、基本はこの形状を踏襲していると思う。
名古屋の大手医療器械ディラーから戴いた物は、クラシカルなX線管を利用したトロフィーであった。
そのメーカー製品の販売功績により受領したという極めてユニークなトロフィーである
このX線管の円盤(回転)陽極に残る電子の衝突した痕跡を見れば、この管の活動した歴史が忍ばれる。
一寸解説すれば、高真空のガラス管の中で、左側の円筒に直線に刻まれた溝から飛び出した電子ビームは、数万ボルト以上の高圧に加速され、右側の円盤(陽極)に衝突する。
その時放射されるのがX線である。
この現象はレントゲン博士によるX線発明当時と全く変わらない。
日常の中で 蛍光灯光源では影絵遊びができない様に、X線も小さな点から放射される程線質(解像力)が上とされる。
何となればX線像は、X線の影絵である。
しかし円盤上の微小な範囲に、集中して強力なエネルギーを持つ電子が衝突したら、どんなに融点が高い金属材質を使っても短時間で溶解しメルトダウンしてしまう。
そこで考えられたのが円盤を高速で回転させる技術である。これにより衝突面積は見掛け上飛躍的に拡大する。
様々な試行錯誤の末、それを世界に先駆けて実用化したのがフィリップスである。
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