自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

シロバナタンポポの分布域拡大

2013-04-24 | 

ひと昔前までは,わたしの住む地域ではシロバナタンポポはまだ珍しいという感じでした。探してもなかなか見つかるものではなく,例えば,日本海側の国道沿いや瀬戸内海側の都市部など,ごく限られた所でしか見かけませんでした。

というのは,もともとは九州辺りで一般的なタンポポだったようで,やがて物流の拡大によって国道に沿って分布が東進してきたのです。したがって,海岸沿いで見かけても,内陸部になると見当たらないのも当然でした。

わたしは,タンポポの分布に関心があって,ついでに花茎の長いシロバナタンポポ を求めてあちこちに出かけたことがあります。採集した花茎の最長記録は1mを超しています。それは,たぶん極めて珍しいはずです。その旅の帰り,種子も根も持ち帰りました。もちろん,自宅に植えようと思ってのことです。

たくさん人がいることですから,中には,わたしのような人もあるはず。これを家の近くに植えたら,もちろんそこから分布が広がるでしょう。わたしの家の近くに,わたしの関心とはまったく関係なく同じことをした人があります。その家の周りに,もうたくさんのシロバナタンポポが咲くようになっています。「ははーん」と思って尋ねると,ヤッパリです。

こんな感じで,道端のタンポポを気にかけていると,パッとシロバナタンポポが目に飛び込んでくることがあります。「ワァーッ! ここにも生えかけている!」と驚いたことがつい最近! タンポポに聞いてもわかるわけがなく,推理するほかありません。

結構,人が持ち込むということがあるのではないでしょうか。一旦入れば,確実に分布を拡げます。既存種とは棲み分けがなされるので,心配はないでしょう。こう考えると,生態系が時代とともに少しずつ変わるのは止むを得ないともいえます。

 


タンポポを訪れた昆虫(その7)

2013-04-24 | 昆虫と花

ウォーキングをしている途中,吸蜜中のシマハナアブに出合いました。腹部の縞模様がくっきりしていて,三角斑が明瞭です。

大きな複眼をしている割にはのんびりタイプのようで,この時は警戒心といった程の距離感は伝わってきませんでした。ピントは甘いものの,かなり近寄って撮りました。機種はコンデジ。

黄色の花を背景にして,褐色のからだが浮かんでいるように見えます。おいしいごちそうで,お気に入りのようです。 

シマハナアブはいろんな花で見かけます。それだけ環境への適応力が大きいということです。これだけのからだの動きを支えるためには,それ相当の高エネルギー源を確保しなくてはならないのです。好き嫌いをしていては種としての生存は危なっかしいことになります。

からだが大き目のハナアブなので,のびのび動き回っているように見えます。先に書いた“のんびり感”につながっているようです。目の前には幸せな空間が広がっているに違いありません。