今日,二つ目の記事になります。先週のこと。勤務を終え帰宅するとすぐ,妻が妙なことを言うのです。「たのしい葉書が来ているよ」と。
見ると,確かにたのしくって,愉快な葉書でした。書き手の主は,苗字しか書かれていませんが,誰かパッとわかりました。ヨッさんです。ヨッさんは,ジャコウアゲハの棲息地保護,拡大に関心を寄せていらっしゃる方。同じ集落の住民で,わたしの家から200m程離れたところに家があります。その家に,食草ウマノスズクサを植えてアゲハを殖やそうと協力をしてくださっています。
そのヨッさんからわざわざ葉書が届いたのです。裏面は,自宅に植えられたプラムの木で羽化を待つ蛹の写真です。空白箇所に簡潔に「愛しいお菊がガンバッテいます。見に来てやって下さい」と記されています。しばらくヨッさんには出会っていないなあと思いながら,写真と文字を見つめました。いかにも純情な感覚とユーモアとが感じとれるしぐさです。わたしには感謝,感謝。
「さっそくわたしも返事をしなくちゃ」と思いました。翌々日は集落の集会でヨッさんと久し振りにお出会いしなくてはなりません。そのときに,葉書のお礼を言うだけでは何とも無酔狂です。マアおしゃれな感覚だと思われなくっても,きちんと礼儀を尽くしておくのが筋なので,ある資料を準備して,翌日の夕刻,ヨッさん宅に出かけました。
ヨッさんは在宅されていて,蛹にも,食草にも出合えました。管理は十分行き届いていました。蛹の傍には雨よけの段ボール紙が付けられてもいました。ひとしきりジャコウアゲハ談義をさせていただきました。話しながら,純粋に小さないのちに関心を向ける人って,こころが輝いておけるのだなあと改めて思いました。
「今月中には羽化しますから」と話すと,「その瞬間を見て,写真に撮りたいなあ」とおっしゃいました。ヨッさんは相当な腕前のアマチュアカメラマン。その場面をぜひ写してほしいと伝えておきました。さて,どうなるでしょうか。