ルリタテハはからだが瑠璃色を帯びた,いかにも貴婦人といったタテハの一種です。このチョウについては,過去何度取り上げました。
わたしがしばしば訪れる公園でよく見かけます。幼虫の食草は野生植物の場合,サルトリイバラなので,これが生えていることとつながりがあるでしょう。サルトリイバラはごくありふれた植物です。それを思うとルリタテハも頻繁に見かけてもよさそうなのに,そうでもないのです。
ルリタテハの飛翔ぶり,また着地風景を見ていると,おもしろいなあと感じます。飛翔エリアが限られている上に,コンクリートやら杭の先に平気でとまるのです。その代わりかなり敏感なようで,ものが近づくのを危険と察知すると,瞬間に舞い上がります。近づくのは相当に慎重さが要るようです。
先日もそうでした。今春初めての出合いだとうれしくなって,近づいていくと,舞い上がりました。しかし,辺りをぐるっと回ってきて,結局近くに舞い降りました。そうして,同じような行動を繰り返したのです。けっして,わたしの視野から消えて見えなくなるということはありませんでした。
上写真の出来はよくありませんが,状況証拠にはなるでしょう。石段に沿って立てられた手摺り用の杭にとまっています。ここから舞い上がって,また杭の先に舞い戻ること3回。同じ場所にさえ戻ってきたのです。
こんなわけで,とても観察しやすいチョウであることは間違いありません。 いつか,バッチリとピントの合った写真を撮りたいものです。