自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

タンポポを訪れた昆虫(その3)

2013-04-17 | 昆虫と花

今日,三つ目の記事になります。

ほんのときどきなのですが,タンポポの花でベニシジミが吸蜜しているのを見かけることがあります。個体数の絶対数が少ないので,見かける機会がすくないのかもしれません。

じっと観察していると,吸蜜にすこし時間を掛けているようにも,またほとんど掛けていないようにもみえます。何だかとても淡白なのです。そこが妙におもしろいところです。蜜が気にいっているのか,いないのか,よくわかりません。もし気にいっているのなら,そこら中に咲いている花を次から次へと巡るでしょうし,一つの花で動きながら蜜を探してもいいと思うのです。ほんとうによくわかりません。 

動物行動学を築かれた故日高敏隆先生なら,もしかするとこうお答えになるかもです。「ベニシジミの動きはファージーなんだね。要するに気まぐれ。いつでも,どこでも適当に蜜が口にできるものだから,律儀に巡っていく必要なんてまるでない。別にタンポポに限るわけでもないしね。食べ物にかけては,ほんとうに幸せ者さ。でも,真相はベニシジミさまだけがご存知なんだな」。

このベニシジミ,そのうちに花を離れました。それを虫の目レンズで撮ったのが上写真です。「うまかった-!」とでも呟いているでしょうか。

翌日,ウォーキングの最中に,ベニシジミがタンポポの蜜を吸っているのを目撃しました。よく見ると,確かに口吻が花の中に伸びています。 

さらにその翌日も別の場所で見かけました。

関心を向けていさえすれば,チャンスは意外と巡ってくるものだと感じました。その瞬間のうれしいこと! 自然からの贈り物ですね。 

 


ジャコウアゲハ観察記(その194)

2013-04-17 | ジャコウアゲハ

4月17日(水)。今日,二つ目の記事になります。

正午過ぎのこと。植木鉢の蛹を見ると,1個体の様子に変化が現れていました(下写真の矢印)。

透明感が増し,腹部特有の色彩である赤色・黒色がはっきり確認できます。「これは羽化が近いな」と期待感が膨らんできます。

間違いなく,明日あたりには殻から成虫が出てくると思われました。これからの変化に目が離せません。

午後2時。集落内の知人宅を訪れて玄関先で話しているとき,目の前をなんとジャコウアゲハが飛び去りました。思わず「わあーっ!」と声が出ました。どこで羽化したものなのでしょうか。

午後5時。自宅に帰って蛹の状態を確認。びっくり! もう殻だけになっていたのです。つまり,既に羽化し終わっていたということです。辺りを見回しても成虫はいませんでした。飛び去っていたのです。もしかすると,知人宅で見かけた個体がそれだったのかもしれません。

夕刻を迎えていたので,大急ぎで写真に撮りました。

今日はジャコウアゲハに大変化が起こった一日となりました。変化を観察できるというのは誠にうれしいことです。長い冬を越して,自然の推移を感知して無事羽化したのです。スゴイ事実です。こういう場面を見届けると,わくわく感がまた湧いてきます。 

 


ジャコウアゲハ観察記(その193)

2013-04-17 | ジャコウアゲハ

4月17日(水)午前10時。曇り。風がほとんどない穏やかな天気です。

記念すべき,記憶に刻んでおくべき日が訪れました。

我が家の植木鉢に付いた蛹が,どうやら羽化近しという感じです。色合いに変化が見え始めました。それで,棲息地の蛹も変わってきているのではないかと思い,確かめに出かけました。

棲息地では今年は蛹の個体数がたいへん少ないので,先行きを心配です。蛹を探しましたが,あったはずの数個の蛹が見当たりません。トタン板に付いていたものがまったくみつからないのです。「困った!」といよいよ心配になってきました。

と,そのとき,10m程向こうの方で黒いチョウが飛ぶ姿が目に入ってきました。「アゲハだ!」と,こころが叫んでいました。ジャコウアゲハが羽化したのです。立ったまま行方を追っていると,畑のエンドウの葉にとまりました。 

そっと寄って行って,一枚だけ写真を撮りました。その瞬間,パッと舞い上がって消えて行きました。 

今春の羽化第一号です。肉眼で見る限り,生まれて間もないようで,翅は鮮やかで初々しい黒色をしていました。

これに続いて, どこかにあると思われる蛹から別の個体が羽化するでしょう。しかし,昨春程は期待できないのが,心配の種です。