自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャコウアゲハ観察記(その324)

2014-08-06 | ジャコウアゲハ

過日,食草ウマノスズクサに産卵された例を取り上げました。ウマノスズクサにはからだじゅう,つまり葉も茎も花も有毒成分アリストロキア酸が含まれています。したがって,どこもかも食餌対象になります。

花を咲かせて結実させるために,花が食べられたらたいへんというわけで,幼虫がいたら他に移していました。ところがたまたまそれを見逃していたら,花を食べていたのです。

 


珍しい光景なので,大急ぎで撮影しました。向きを変えて撮ると,腹脚と尾脚が細い茎につかまっている様子がよくわかります。 

 
とにかく,幼虫の食欲は大したものです。 頼もしいばかりです。 

 


ヤマトシジミの幼虫とアリ(中)

2014-08-06 | ヤマトシジミ

じつは,『ヤマトシジミの幼虫とアリ』(前)で書いた記事中の写真を撮っているとき,アリ以外のことですこし気になることを観察したような気がしました。

それは,腹脚から尾脚にかけて,どうも表皮が二重に見えたように思えたことです。それもあって,写真をしっかり残したということもあります。“二重に見えた”とき,わたしは「ひょっとすると,脱皮直前なのかもしれない」と感じました。それは予感とでもいえるものでした。

さて,写真を撮ってから程なくしてまた個体を見ました。すると,からだの脇に白い塊りが見えました。ルーペで確認すると,皮でした。中央に黒い部分が見えました。これはまちがいなく,脱皮して脱ぎ捨てた皮です。やはり脱皮を控えていたのです。

確認し終えると,大急ぎで写真を撮りました。

 


それまでいたアリは,やはり個体の近くにいて,また戻ってきました。共生関係は相当に強いみたいです。

 


考えてみれば,脱皮の前後は幼虫にとって大いに警戒しなくてはいけないときです。とりわけ脱皮中と脱皮直後は表皮が柔らかいために,外敵に襲われると,大きな痛手を被るでしょう。そうした間にもアリの存在に頼るというのは,理に叶っています。