自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャコウアゲハ観察記(その329)

2014-08-26 | ジャコウアゲハ

盛夏。ジャコウアゲハの成虫がわずかに『アゲハの庭園』を訪れていますが,見かける個体はほとんどいません。この気象条件では,羽化する個体はすくないようです。蛹の数は驚くほど多いのに,羽化する兆候はまったく見えません。

激しい雨が襲った日のこと。一時雨が止んだときに,大急ぎで蛹を写しました。この個体は,色から見て,蛹化後,日が浅いことがわかります。

 


まったくはみ出した話ですが,幼虫から垂れ下がる雨粒に近くの景色が写りこんでいます。水玉がちょうど凸レンズになっているのです。そのおもしろさを残したくて,この構図を狙ってみました。


下の個体は蛹化後,30日が経過しました。色からは,相当な時間が経っていることが窺えます。しかしながら,まだ羽化しそうにありません。

 


こんな調子ですから,羽化が始まれば,次々にその場面を観察できます。スゴイだろうなあと今から,わくわくしています。 

 


スミレの芽生え

2014-08-26 | 植物

ツマグロヒョウモンの生態を観察しようと思い,植木鉢とプランターにスミレを植えています。そのお蔭で,数々の場面を目撃・撮影できてきました。

そのスミレはいうまでもなく,種子で殖えます。実のなかに,真ん丸い種子がたくさん並んでいて,熟すとパチンと弾け飛びます。そうすることで,できるだけ分布範囲を拡大しようとしているのです。それで,スミレの生えた場所では,飛び散った種が発芽してスミレの群落ができあがります。

植木鉢のような狭い地表面でも,その根元にもどっさり芽生えが見られます。


芽生えを見ただけでは,なんの植物かわからないのですが,スミレ以外には植えていないので,「どうもスミレらしい」と見当がつきます。

 
芽生えがたくさんあれば,成長に多少の差があるので,種皮を被ったものが見つかります。


種皮を付けたままの子葉が見つかることもあります。


やがて,本葉が現れます。そのかたちは,いかにもスミレを連想させるものです。 

 


これだけわんさか生えてくると,ふつうの露地ならスミレだらけになることでしょう。実際,我が家の庭の一部はかつてそんな状況でした。それでは困るので,徹底的に抜いて駆逐しました。農薬はまったく使わずに,です。今は,植木鉢・プランター程度で育てています。 

『山路来てなにやらゆかしすみれぐさ』(松尾芭蕉)は名句で風雅ですが,スミレが圧倒的に優勢な生活場面を想像すると,「ゆかし」どころではありません。

しかし,これがツマグロヒョウモンの食草とくれば,そうそういい加減な付き合いはできません。