はっきりとした動きが見えてきたので、その場を離れず見守りました。結果、それがよかったと思います。大変化を見逃さずにすんだのですから。チョウの種類によっては、時間をかけてゆっくり出てくるものがある一方、スルスル出るタイプもあります。モンシロチョウはまちがいなく後者に入ります。殻が薄いだけに、いくら凹凸構造で補強がなされていても穴を開けやすく、外に出やすいのでしょう。
穴がからだの出る程に開きました。すると、幼虫は頭を出してゆっくり出始めました。
そうして、胸脚を葉に着地。
殻からからだが出ていきます。
からだ全体が葉に着きました。そしてすぐに殻の方を振り返って、それに取り付きました。もちろん、殻を、生まれて初めての栄養として口にするためです。
途中休憩することもありましたが、全部食べ終わりました。親からの贈り物を残さずに食べました。こうした動作が組み込まれた本能のふしぎを、やはり思わずにはいられません。
幼虫は、この後、その場を離れていきました。あとは自立して生き延びるための戦いが待っています。