自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

モンキチョウの寄生バチ(後)

2015-07-20 | 昆虫

容器に入れてから,はじめは毎日,変化はないか確認していました。しかし,その兆候は見られませんでした。

ところが,7日後のこと。容器を見ると,ハチが一匹死んで横たわっていたのです。体長は10mm程度。繭を確かめると,下の方にちゃんと穴が開いていました。


うっかりしていました。日が経つうちに,「この分だと,羽化はまだ先だろう」と勝手な思い込みをしてしまっていたのです。それで,4,5日過ぎるあたりから観察をしていませんでした。

結果,羽化したにもかかわらず気づかなかったわけです。惜しいことをしました。ハチには申し訳ないことになりました。

しかし,生態についてはかなりわかってきました。

ホウネンタワラチビアメバチという長い名の持ち主だということ。チョウやガの幼虫に寄生するハチだということ。イネの害虫フタオビコヤガの幼虫(イネアオムシ)に寄生する益虫であるということ。宙ぶらりんになった繭を作るのが,この昆虫の特徴であるということ。

ということは,関心を持っていれば稲作地域ならかなりの確率で見かける可能性があるということです。今後をたのしみにしておきましょう。