自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

アゲハ一世代の成長(6)

2014-08-07 | アゲハ(ナミアゲハ)

8月3日(日)。個体Aは5齢(終齢)。

8月4日(月)。個体Cは3齢。

 
8月7日(木)。ふしぎなことに個体Cが行方不明に。

8月8日(金)。朝見ると,個体Aは飼育ケースの蓋に移動して,そこで前蛹になっていました。

個体Dは3齢です。

午後1時30分,スダチの木に成虫が飛来して,産卵するのを確認。この卵を個体Eとして飼育することにしました。

 

 


ジャコウアゲハ観察記(その324)

2014-08-06 | ジャコウアゲハ

過日,食草ウマノスズクサに産卵された例を取り上げました。ウマノスズクサにはからだじゅう,つまり葉も茎も花も有毒成分アリストロキア酸が含まれています。したがって,どこもかも食餌対象になります。

花を咲かせて結実させるために,花が食べられたらたいへんというわけで,幼虫がいたら他に移していました。ところがたまたまそれを見逃していたら,花を食べていたのです。

 


珍しい光景なので,大急ぎで撮影しました。向きを変えて撮ると,腹脚と尾脚が細い茎につかまっている様子がよくわかります。 

 
とにかく,幼虫の食欲は大したものです。 頼もしいばかりです。 

 


ヤマトシジミの幼虫とアリ(中)

2014-08-06 | ヤマトシジミ

じつは,『ヤマトシジミの幼虫とアリ』(前)で書いた記事中の写真を撮っているとき,アリ以外のことですこし気になることを観察したような気がしました。

それは,腹脚から尾脚にかけて,どうも表皮が二重に見えたように思えたことです。それもあって,写真をしっかり残したということもあります。“二重に見えた”とき,わたしは「ひょっとすると,脱皮直前なのかもしれない」と感じました。それは予感とでもいえるものでした。

さて,写真を撮ってから程なくしてまた個体を見ました。すると,からだの脇に白い塊りが見えました。ルーペで確認すると,皮でした。中央に黒い部分が見えました。これはまちがいなく,脱皮して脱ぎ捨てた皮です。やはり脱皮を控えていたのです。

確認し終えると,大急ぎで写真を撮りました。

 


それまでいたアリは,やはり個体の近くにいて,また戻ってきました。共生関係は相当に強いみたいです。

 


考えてみれば,脱皮の前後は幼虫にとって大いに警戒しなくてはいけないときです。とりわけ脱皮中と脱皮直後は表皮が柔らかいために,外敵に襲われると,大きな痛手を被るでしょう。そうした間にもアリの存在に頼るというのは,理に叶っています。

 


ヤマトシジミ,蛹に

2014-08-05 | ヤマトシジミ

8月3日(日)早朝。ヤマトシジミの幼虫がいる植木鉢を見ていて,蛹を2つ発見。2つはごく近くにあって,共にカタバミの葉の裏側に付いていました。帯糸でからだをしっかり固定して。

先に見つけた個体。

 

 
もう1つの個体。脇には,脱皮して脱ぎ捨てた皮が残っていました。

 


先に見つけた個体に,アリがやって来ました。甘味成分がもらえるとでも思っているのでしょうか。 

 


色合いから判断すると,蛹化してからそんなに日数が経っていないようです。この後の変化を気にしておこうと思います。 

 


火打ち式発火法にチャレンジ!(4)

2014-08-05 | 日記

8月3日(日),『青少年のための科学の祭典』本地区大会が催されました。この日は「夏休みに火打石発火法にチャレンジしよう!」(全6回のシリーズ)の山場。子らはこれまでに火起こしの技術を習得してきました。この日はいよいよ店員としての仕上げ日なのです。

子どもたちは一週間前の祭典での経験を経て,動き方を理解しています。「この日は80%以上の出来を」というのがわたしの期待度でした。

10時に開店。以降,お客さんは途切れませんでした。子らが発火法の説明や,火を起こす術について,自分なりにしっかり伝えようとしているのがよくわかりました。幼児から大人まで,たくさんのお客さんとふれ合い,なんとか火を起こしてもらいたいという熱意で終始接していました。


小さな子は火花が出るだけで十分でしょう。1年生が火を起こしました。立派。3年生で,火が起こるまで粘り抜いた子がいました。30分ぐらいカチカチとやっていたでしょうか。成功したくって,やり遂げたくってしかたがないといった様子でした。できたときのうれしさは,もう表現できないぐらいです。わたしはこころから褒めました。


こういう体験には,危険が付きものです。予想外に,指に小さな傷を付けた子がいました。指を不用意に突き出して石を持っていたようです。その他の問題はありませんでした。安全にはくれぐれも留意しなければと感じた次第です。

午後4時に閉店。4人の子ども店員は充実した一日を過ごせたように思います。保護者を前にして,そんな一言を語っていました。わたしが目指した“80%の出来”はまちがいなくクリアしたでしょう。保護者の皆さんもまた,すてきな経験をした子への思いを4人と向き合って端的に語ってくださいました。うれしい一言でした。

子らのこころには,でっかい財産ができたにちがいありません。子の確かな成長を描いて,この企画を試みたわたしとしてもありがたいばかりです。

そうそう,おしまいに,4人にキリモミ式発火法に挑んでもらいました。こころを一つにできるかどうかが問われる挑戦を,この機会に是非してほしかったのです。結果は上々! たくさんの人が見守る中,なんとたった1回で成功! たぶん5分程度で炎になったと思います。大した子どもたちです。

 

 


ジャコウアゲハ観察記(その323)

2014-08-04 | ジャコウアゲハ

今日の話題はジャコウアゲハに関したものではありますが,直接それを取り上げたものではありません。食草であるウマノスズクサについての記事です。

ウマノスズクサにジャコウアゲハの幼虫が発生しないように管理していると,とにかく花がわんさと咲きます。ところが,草の特性か,花後に子房が膨らむ,つまり結実する例はほんとうにすくないのです。解説書にも,そのことに触れたものがあります。

なのに,ウマノスズクサが群落を形成するのはなぜか,ふしぎな話です。やはり種子が落ちて,そのうちに殖えていくというのが筋道ではないかとわたしは思っています。

そんなことを思いながら,家に植えているウマノスズクサを観察しているところです。これまで,種子から芽生えたと思われる例は3つ確認できています。それについてはすでに取り上げています。

しかし,結実している例はまだ確認していません。今夏はたくさんの花が咲いたので,1つあるいは2つ程度は実ができるかもしれないなと期待しています。

1つの株に100以上の花が咲いています。どの花も熟していくとなると,もうこれはたいへんな状況になります。100のうち1つでも熟するなら,それで十分過ぎるほどの芽生えにつながります。受粉がほとんど保証されていないなかで,子孫をなんとか残す方法が,いってみれば無駄花を咲かして,いずれかに種族維持を託すことなのでしょう。確率は低くなりますが,確かさは保証されます。

そう思いながら,花後の子房を観察していると,ほんとうに数個膨らみかけています。直接観察できる例としては珍しいようです。注目に値します。 

ここに。


そこに。

 


姫路へ

2014-08-04 | 日記

8月1日(金)。勤務する施設が実施する事業で姫路へ。コミュニティバスとJRを使って,町外を訪れようというもので,参加児童は9名。わたしは,万一の事態に備えるために公用車で同行しました。

行き先は参加児童が決めました。担当者の話では,平成の大修理を終えて白く輝くお城を見たいという希望が多かったとか。事業内容には触れず,久し振りの姫路についてすこしお伝えしましょう。

新しくなったJR姫路駅前から姫路城を遠望しました。平成の大修理が行われている関係で,まだクレーンが見えます。

 


城を近くから見ました。眩いばかりの白さです。白鷺城の名にぴったり。1日から3日間,市を挙げての『お城まつり』。広場では式典の準備が進められていました。


歩いていると,こんなとんでもない剪定がなされているところが。風情が理解できない人,自然景観の保護について無神経な人の手にかかって,木が気の毒なばかり。木は喜んでいるでしょうか。お役人仕事はこうだから,困ります。


20年振りの動物園に。あのときは,象糞紙,駱駝糞紙,縞馬糞紙を作るために,「糞をわけてほしい」ということで訪ねました。懐かしく思い出されます。


自分の娯楽のために訪ねたわけではありませんが,月日の移り変わりを感じたこの日でした。わたしの出番はなく,子らは無事に帰りました。ホッ。 

 


ヤマトシジミの幼虫とアリ(前)

2014-08-03 | ヤマトシジミ

ヤマトシジミにアリが付いていて,しきりに興味を示している場面を何度も観察してきました。その一部は,本ブログでもすでに話題にしました。

8月2日の早朝の話です。植木鉢のカタバミにいる幼虫を見ていると,もうアリが訪れていました。アリのしぐさは,蜜でもあるような感じなのです。触覚をしきりに幼虫のからだに向けてなにかを確かめようとしています。


アリは,ずっと居続けました。 


気になって,文献で調べてみました。すると,「ほーっ!」「へぇーっ!」と感じ入る情報が見えてきたのです。

それによると,ヤマトシジミの幼虫は尻の蜜腺から甘露を出して,アリを招いているのだとか。いったいなんのために? それはアリにいてもらうことによって,外敵であるハチやハエから身を守ってもらっているそうなのです。つまり両者は共生関係にあって,ヤマトシジミは好蟻性昆虫の一つというわけです。

これで納得です。

事情がわかれば簡単。もしアリがいなければ,幼虫のなかには外敵に襲われるものがいるという話になります。自然はきびしい掟が支配しているので,こういう場面は日常的に発生しているのでしょう。ただ,まだわたしはその場面を目撃できていませんが。

 


アゲハ一世代の成長(5)

2014-08-02 | アゲハ(ナミアゲハ)

結局,3個体の成長を追うことにしました。個体Aは元のもの。個体Cは,Aと同じレモンの木で孵化したもの。推測では7月30日(水)午前2時頃に孵化した模様。残りのD個体は『アゲハの庭園』のキンカンの木において,8月2日(土)午後7時頃孵化(推測)。

さて,今日8月2日(土)の様子をすこしばかり。

個体Aはかなり成長しました。3齢幼虫になっています。


個体Cが脱皮。2齢幼虫に。


個体Dは午後8時現在,殻をほぼ食べ終わったところです。いかにも初々しい感じがします。からだ全体が棘だらけです。



以上の成長を表にすると,以下のとおりです。

 

 

 

 

 


ツマグロヒョウモン,退化した前脚

2014-08-01 | ツマグロヒョウモン

タテハチョウの仲間は脚が4本です。もともとは6本あったのですが,そのうち2本が退化してなくなってしまったのです。その2本は前脚。 


誕生後間もない個体を写しました。口吻を伸ばしたり丸めたり。中脚の前にあったはずの前脚部分をよくよく見ると,ちゃんと名残りがあります。 


さらにアップで撮ると,はっきりそれらしきものが見えます。これがその昔,正真正銘の前脚だったもの。 

 
それで,一枚目の写真を見直してみると,前脚の名残りがみごとに写っています。 「タテハは脚が4本」と単純に解釈するのは早計です。