先に『ジャコウアゲハ観察記(その325)』で,天敵について書きました。そのことで,すこしわかりかけたような気がしてきました。それはある場面を見たからなのです。
無惨にも殻だけになった蛹を見た翌日のこと。とんでもない事態が発生しました。すぐ近くにあった蛹2つが姿かたちもなく消え失せてしまったことです。どこにあったのか,まったくわからない状態でいなくなったのです。
「おかしいな,おかしいな。ほんとうに鳥が来て食べたのかな」と思いつつ,蛹があったところをよくよく確かめていてびっくり! なんと,クサキリ(メス)の成虫がいたのです。
その翌日もやっぱりそこにいました。
それで,食べられた蛹,いつの間にかなくなった蛹とこのクサキリの関係がつながり出したのです。「ひょっとしたら,クサキリが襲ったのかな」と。
ネット検索で調べると,『ウィキペディアフリー百科事典』(「ヤブキリ」の項)に,次の記述がありました(赤字)。
食性はきわめて幅広く、様々な昆虫・小動物から種々の葉・果実、蕾や新芽などを喰う。 メスや終齢幼虫は特に貪欲で、自分と同じかあるいはそれ以上の体長の相手にも飛びかかって食べてしまうことがある。 飼育下でもありとあらゆる物を食べ、本種の食に対する適性の広さがうかがえる。
これは重要な情報です。わたしが見たものは単に状況証拠にすぎませんが,かなりそうらしいと思えてきます。ハンターは鳥ではなく,ヤブキリだった(かもしれない)とは! そうなら,「納得!」です。