徒然なる日々からの歳時記

徒然なるままに日々の歳時・興味を綴っております。

社会性昆虫

2012年06月04日 | 本と音楽の話題
子供の頃から社会性昆虫は大好物だったりします。

別に蜂の子が大好きとか,そういう意味ではなくて,興味の対象で,社会性昆虫に関わる蘊蓄は喜んで集めていたという意味です。これは実は私に限った話ではなく,生き物に多少興味を持った人間が大なり小なり,社会性昆虫の魅力には取り憑かれてしまうようです。

何が面白いか?

一般的な生き物に関する知識では想像出来ないような話が沢山あるからです。

例えば,私が子供の頃に衝撃を受けたサムライアリの話。

サムライアリの女王アリは単身,他の種(クロヤマアリなど)の巣に乗り込み一騎打ち,相手の女王アリを噛み殺し,女王になりすまして,巣(コロニー)を乗っ取る。ただ,彼女の生む子供は武闘派ばかりで,巣の補修も,卵や幼虫の世話も出来ず,クロヤマアリなどの働きアリがいないと自分ではエサも食べること出来ない始末,ちゃんと働く働きアリを生む女王アリはいない訳で,時間の経過と共に,おのずと働けるアリは減っていく。

で,どうするかというと,今度は,他のクロヤマアリなどの巣にサナギを調達に行く・・・「奴隷狩り」という訳です。

この現場を子供の頃に目撃し,それが何かを知って,子供ながらに衝撃を受けた訳です。

ってな訳で,久しぶり社会性昆虫蘊蓄を摂取しようと,以下の新書を購入。

→ 長谷川英祐『働かないアリに意義がある』メディアファクトリー新書

面白い話は,沢山あったのですが,個人的に一番気に入ったのは,本の主題にもなっている働かない働きアリの話(アリなどの巣のワーカーの7割は働いていない,働いているやつだけを集めても,働いていないやつだけ集めても,やっぱり7割は働かないといった話は聞いたことがある方が多いのでは?)。情報を収集し指示を出す者がいない,アリやハチなどの社会性昆虫のコロニーが複雑な仕事をこなしていくためには,働きアリの中に仕事に対する反応閾値の違いが存在していて(必要な仕事に必要なだけワーカーを当てることが出来るのはこの仕組みのおかげ),その結果,各仕事への反応閾値が高いモノが働かない(正確には働きたいけど働けない)という話。私は職場や研究室などでちょっとそっとの汚さでは,掃除をしようとはしない人が頭に浮かんてしまいました(笑)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする