徒然なる日々からの歳時記

徒然なるままに日々の歳時・興味を綴っております。

百花蜜

2012年06月05日 | 日本酒・ワイン・酒・食材・旬
社会性昆虫つながりで,今回はミツバチ・ハチミツの話。

写真の2つのハチミツ,実は大きく違う点が2つあります。

1つは,左側が日本産であるのに対して,右側はカナダ産。そして,もう一つ大きく違う点は,左側のハチミツはニホンミツバチが集めたものなのに対して,右側のハチミツはセイヨウミツバチが集めたシロツメクサ(クローバー)のもの,普通スーパーなどに並ぶ一般的なハチミツは,国産のハチミツも含めて大部分がセイヨウミツバチによって集められたものですので,左側のハチミツが少し特別ということになります。

さて,上記の文章を読んで「あれ?」と思った方は,鋭いです。

そう,後者のセイヨウミツバチについては,何の花の蜜かを書いているのですが,前者のニホンミツバチについては,何の花の蜜かについては触れていません。

答えがタイトルの「百花蜜」という訳です。

セイヨウミツバチとニホンミツバチには,大きさや採蜜の能力,巣の作り方など様々な点に違いがあるのですが,ハチミツについて言えば,セイヨウミツバチが花ごとに分けて蜜を集める(その時期・その地域に多く咲いている花の蜜を重点的に集める)のに対して,ニホンミツバチはその時期に咲いている花の蜜を満遍なく混ぜ合わせて集めるのです。故に,何の花の蜜とは書けず「百花蜜」となる訳です。

山あり谷ありで様々な環境が狭い範囲に存在し,花の季節には一度に色々な花が咲き乱れる日本で蜜を集め続けてきたニホンミツバチらしい特徴で,何だか妙な親近感が沸きます。

採蜜の能力はセイヨウミツバチの5分の1程度など,あまり養蜂には向かないため,なかなか見かけることもなく,見かけても結構いいお値段するのですが,「その地域に咲く花の蜜を全部集めてきました」というのは,なかなか素敵だと思いませんか?
コメント
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