元ラーメン屋店主のツイート集

ラーメン屋を10年経営し、今は閉店し、介護士をしています。

ラーメンとは?(後半ぐだぐだ)

2007年02月13日 | ラーメン総合研究所
ラーメンの先祖の中華料理にラーミェンという
麺料理がありますが、日本におけるラーメンと
は全く異なる食べ物です。

実は、日本の古典麺料理「うどん」の先祖も
ラーミェンです。ラーミェンの姉妹的な「ウンロン」
がルーツという説もありますが、ともかく、うどん
もラーメンも中国ルーツで日本に伝わってきました。

ラーミェンは鶏がらベースの清湯スープに、塩味を
つけただけの湯麺というジャンルのシンプル
中華麺料理でした。

今の日本でのラーメンのように、鶏、牛、豚、
野菜、乾物、魚介などをふんだんに使用したダシ汁に
複数の調味料の元ダレ、各店こだわって作った香味油
と重層的味わいではなかったです。

中国ではラーミェンは麺の種類や、具の研究は進めら
れたものの、スープは伝統を受け継いだ古典製法の
まま継承され続けました。それゆえ、中国ラーメンは
具料理とも言われています。いわゆる、中華料理フル
コース内での箸休め的な役割で、口をさっぱりさせる
為の簡単な1品でしかなかったです。

中国では1品料理で食べる際は、サンマーメン、
パイコーメン、タイルーメン、タンメン、カニ玉メン
などのように具がゴテゴテ乗っているのが一般的です。
しかし、中国でのラーミェンは、スープには一定の共通
点がありました。

日本のラーメンのように、ご当地味、醤油、塩、ミソ、
トンコツ、もっと言えば、店によって全く違う各店各様
の種類がある自由な麺料理とは決定的に違います。

中華料理関連の麺料理法を何冊か読んでみると、日本の
ラーメンでは考えられないほどシンプルです。水の量に
対しトリガラが少なすぎ(日本での一般的なあっさり
中華そばの5分の1以下)煮込み時間が2時間ぐらい
(日本ではどんなに短くとも6~8時間以上は煮込み
ます)と短すぎます。

日本でラーメンは、戦後急速に発展してきました。
ラーメンには、伝統も基本も文化も格式も無かった
がゆえ、何事にもとらわれず、柔軟な発想で開発され
続けてきました。その基本理念のみ新世代のラーメン
職人へと継承されているので、ラーメンに固定概念な
んて言葉はありません。

一言で「ラーメン」と言えど、ラーメンは郷土色が
強く、地域のソウルフードと言えます。その為、青森で
生まれ育ったラーメン好きな人が、就職で福岡に来た
途端ラーメンが食べれなくなる事もありえます。

色んな種類のラーメンに好奇心旺盛なラーメンフリーク
ならともかく、一般的なラーメン好きな人は地域の味
しか受け入れない傾向があるのかもしれないです。

福岡のラーメンテーマパク「ラーメンスタジアム」に
は全国の名店が集結し、今まで知らなかったラーメンに
驚く事が多い素敵なフード・テーマパークですが、福岡
在住の友人は誰も行きません。
僕が半ば強引に色んな友人を連れて数え切れない程行
きましたが、毎回友人の反応は悪く
「イマイチ」「マズイ」などと連発して
きます。
僕が自信満々に「いや、今食べた店は美味か
ったなー。」と言った際も
「それ、ホント?俺、一口でもう食いたくなくなった。
金貰っても食わん」などと酷い言いようでした。

月に20日間以上はラーメンスタジアムに通っていた
(1回に2~4軒は梯子していました)僕ほど、周囲は
魅力的な施設と感じていなかったようです。

地域調査が疎かだった当店は、トンコツ至上主義の九州で、
醤油ラーメン専門店とし誕生しました。ある意味バクチで
したが、一部のお客様には熱い支持を受けたものの、多く
の方の反応は冷ややかでした。

多加水太麺の良さは、いずれ分かってもらえると信じて、
麺は創業時から変えず、トンコツラーメンエッセンスの
醤油味へと徐々に変形しながら今に至ります。

結果的には、出鼻くじかれた開業により、ちょっと
新タイプの醤油ラーメンだったのが、ユニークな
ニューウェーブ醤油トンコツへと発展できました。
「こんなラーメン他に無い。新たな味」と思える
他店では決して味わえない独自性を気に入っています。

僕自身の変化で言うと「新たな味覚開拓のキッカケになる
店」と新タイプの押し売りだった姿勢から、「お客様の好み
と僕のアイデアの融合」という地域味を僕フィルターを通し
作っています。

よく「これは関東風のアレンジ?」と聞かれますが、僕の
ラーメンに○○風はありません。原型や見本が無いので
アレンジじゃないです。ただ、僕が食べたいラーメンと
お客様が食べたいラーメンのギャップを減らし、唯一の
店にしたいだけです。

今日は自分の店の事は置いといて、ラーメンは何故にこれ
ほど日本人に愛されているのか?を、客観的に分析したよう
な内容にしようと思っていましたが、ラーメン屋がゆえ
ラーメンに対し客観視出来ず、思惑とずれて、自分の店の
事について長々と書いてしまいました。本当に書きたかった
事は、またの機会で、今日はここらで終わります。

相変わらずな無駄話の脱線内容で失礼いたしました。