今回は店舗の設計の話です。
僕は最初から、賃貸の店舗では無く、新築で平屋店舗を建てる
つもりでした。
借り店舗物件の場合、莫大な保証金を支払わないといけません。
今や大繁盛店の「なんでんかんでん」の川原社長のエッセイに
よると、2000万円の現金を持って不動産屋に行くと
「兄ちゃん、東京を舐めたらいかんよ。それっぽっちの金じゃ
保証金すらならんよ」と門前払いされたらしい。
店舗を借りるには保証金が必ず必要で、飲食店は店舗が汚れ、
痛みやすく、評判が悪い店だと、撤退後に次の入店希望者が
入りづらい分野ゆえ、保証金も割高です。
家賃の10ヶ月~20ヶ月は保証金にかかります。
それに加え、店舗の不動産契約時に、前家賃1ヶ月、
当月家賃1ヶ月、礼金1ヶ月、仲介手数料1ヶ月とかかります。
内装、外装、厨房工事、下水工事、ガス工事、水道工事、電気工事、
食器、調理器具、備品その他で700万円。
運転資金50万円とし、家賃20万円とし保証金20ヶ月とすると、
開業にかかるトータル出費は2230万円です。
よほどの資産家でも無い限り現実問題無理です。開業資金の半分以上
を借金でするのは、あまりにリスクが高すぎます。飲食店で、開業か
ら半年足らずで撤退する店が多いのは、売り上げに対し、借金額や
家賃が高すぎる事にあります。
多分、多くの人はご存知無い店だと思いますが、唐津市には3日で
閉店したラーメン屋もあります。何故なのか謎のままです。
先日「とり一」の前を通っていると、ユンボーで崩されていて悲しい
気分に成りました。「一麺亭」時代は大好きでよく通っていました。
「げってんや」は「つけめん」をフューチャーした店で、唐津に
「つけめん」文化を普及してくれるか期待していましたが、残念な
がら短命でした。新スタイルはなかなか受け入れづらいのかもしれ
ないないです。「さがらーめん がばいが一番」の閉店も同様の
理由と思います。唐津で坦々麺は普及しなかった・・って事でしょ
うか。
どんどん、話が横道に反れるので、強引な軌道修正をします。
「様式美麺れいんぼ~」は、もっと狭い店になる予定でした。
カウンター10席程度のこじんまりとした店をイメージして
いましたが、施工業者と打ち合わせを重ねるうちに、割と
ゆったり目の店になりました。
僕の浅い経験から使い勝手の良い店舗をイメージし、外装は
虹色で度肝抜くインパクトをイメージしました。
立地が凄く悪く、まともな経営者なら、まずやらないような
場所ゆえ「何じゃコリャ」という良かれ悪かれ、派手さが
必要でした。親戚の松本工務店と何日も打ち合わせをし、
設計士から図面化してもらった時は感動しました。
いよいよ、僕の夢が動き出した瞬間でした。
飲食店は、保健所からの設置義務項目や、施設基準というのが
山ほどあります。もし、規定違反だと営業許可証は発行され
ませんし、改装命令が出されます。もし、全体的に飲食店に
不適格な店舗の場合は建て直しも命じられます。
だから、図面を保健所に持っていき事前指導を受けました。
保健所の主な検査項目は、
①客席と厨房は段差を作る。
②厨房と客席には扉の設置。
③換気扇の設置(害虫網戸つき)
④トイレの設置。
⑤お客用の手洗い場の設置。
⑥調理器具、食器への消毒・殺菌設備。
⑦冷蔵庫は温度計設置。
⑧厨房の排水は流れやすく、金網。
⑨厨房の壁は耐熱材及び、防火加工。
⑩内装は床から1メートルは耐水材。
⑪食器、材料の管理、保管場所は、害虫侵入防止設備
⑫食材の取り扱い量保管設備
⑬下がり壁施工
⑭下水はグリーストラップを設置
などなどです。今、覚えている限りだけ書き出しましたので
まだ沢山あります。
2回目の保健所訪問で、図面の合格が出て、いよいよ工事が
開始いたしました。