はい、昨日のつづき
番頭さんは、俺たちの顔をゆっくりと眺めたあと、
「前田先生は、私の妻の実家が寺であることを息子からきいたのでしょうか、僧侶とはどのようにしてなるのか、またどのような修行を行うのか、どこでできるのかを聞いてまいりました」
と、ここでいったん言葉をくぎった。
「何でそんなことを聞いたんだ?」
俺は首を傾げた。
「のぶちゃんらしくねえなあ。あいつ、結構ストレートな性格だから、ストレスがたまったりすることはないはずだし、悩み事もためないもんな」
旧姓依田も首を振った。
「逃げたりする性格でもないしね」
「鉢を割ったことや見合いを断ったことが、原因とも思えないけど」
「それはありませんでしょう」
番頭さんは言葉を引き取って、
「前田先生には恋人がおられるのですし、蘭も確かに貴重なものではありますが、大学でも当家でも相当数を栽培しているわけですから、問題はございません」と、きっぱりと言いきった。
「ここで原因を突き止めることは後にして、前田先生がどこのお寺に行ったのか聞くべきじゃないのかな」
白いやつが先を進めた。
「そうですね。最初からこれをお話しするべきでしたね」
番頭さんはため息をついた。
「前田先生は、つくばった山の中腹にある棒斐浄寺(ぼういじょうじ)に行かれたのだと思います」
棒斐浄寺(ぼういじょうじ)だあ…?
ふざけた寺の名前だ。。。
だから、つづく
番頭さんは、俺たちの顔をゆっくりと眺めたあと、
「前田先生は、私の妻の実家が寺であることを息子からきいたのでしょうか、僧侶とはどのようにしてなるのか、またどのような修行を行うのか、どこでできるのかを聞いてまいりました」
と、ここでいったん言葉をくぎった。
「何でそんなことを聞いたんだ?」
俺は首を傾げた。
「のぶちゃんらしくねえなあ。あいつ、結構ストレートな性格だから、ストレスがたまったりすることはないはずだし、悩み事もためないもんな」
旧姓依田も首を振った。
「逃げたりする性格でもないしね」
「鉢を割ったことや見合いを断ったことが、原因とも思えないけど」
「それはありませんでしょう」
番頭さんは言葉を引き取って、
「前田先生には恋人がおられるのですし、蘭も確かに貴重なものではありますが、大学でも当家でも相当数を栽培しているわけですから、問題はございません」と、きっぱりと言いきった。
「ここで原因を突き止めることは後にして、前田先生がどこのお寺に行ったのか聞くべきじゃないのかな」
白いやつが先を進めた。
「そうですね。最初からこれをお話しするべきでしたね」
番頭さんはため息をついた。
「前田先生は、つくばった山の中腹にある棒斐浄寺(ぼういじょうじ)に行かれたのだと思います」
棒斐浄寺(ぼういじょうじ)だあ…?
ふざけた寺の名前だ。。。
だから、つづく