へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

やっちまった

2012-10-02 23:38:03 | へちま細太郎

ひさしぶりだ、けんちゃんだ。
香川の活躍、わくわくだ。
カズの現役は、男の希望。。。

で、バカ義弟が先日の日曜日に、タコ壺を誘って棒斐浄寺に行ったんだそうだ。
ところが、あの京尼さん、今から遊びに出かけるから留守番せえ、と二人をおいて行ってしまったんだと。
「まったく、しゃあねえなあ」
棒斐浄寺には、京さん以外にお手伝いの女性がいるんだが、
「食料の買い出しに行ってきます」
と、これまた外出。買い出しっていっても、基本食料は藤川家から届くんだが、それでも足りない時は、この女性が山を下りて最寄のスーパーに出かける。
「いったい、どうなってんだ」
台風が近づいてくるっていうのに、のんきな京さんなんだが、彼女に世間の常識が通用するわけがない。
きまず~い雰囲気が流れたんだが、庭のはじっこにすっかり餌付けされたセンイチが現れると、たちまち楽しい天気の監督と同じ名前のイノシシと、遊びに遊び、まあ、なんとか尼寺の留守番も何とか乗り切れたらしい。
で、センイチが山に帰ったあと、つい今まで手さえも握ったことのないタコ壺を押し倒して、
「ヤッちゃったのか」
と、身を乗り出してバカ殿の顔を覗き込むと、
「ほれ、この通りだが」
腕のひっかき傷を見せつつ、
「ヤッっちゃった」
と、頭をかいた。
「で?」
「でって…」
「タコ壺は、どんな反応だ」
ここでうまくいくかいかないかで、今後の藤川家の将来がかかっている。
「だから、蹴るわ、殴るわ、ひっかくわだが、ま、最後は、おとなしくはなった」
「なんだそれ、不感症か」
「いや、そうでもないとは思うんだが、まあ、3回もしちゃえばあいつも女にみえるから不思議だ」
って、おい。
「おまえな、突発的なこととはいえ、3回もすれば、跡継ぎもできるだろ」
「まあねえ、できたら結婚すればいいし、できなくてもこれをタテにとって、結婚せまればいいし」
なんだこいつ。
おりゃあ、頭抱えたね。殿様っていうのは、こいうもんなのか?
「ま、これで子供ができたら、おれも種馬としての役割を果たせたし、誰にも文句は言わないだろ」
「おまえねえ、タコ壺の気持ちって考えたことないのか」
「一応、あるよ、でも、あいつ、好きな男はいない割には結婚願望あるから、俺としても結構気に入ってたし、いつかは誘ってみようぐらいは思ってたし、よかったんじゃん」
バカか、こいつ。
こいつ、ほんとはタコ壺のことが好きなんだって気が付いていねえのかって、おりゃあ思ったね。
問題は、タコ壺の気持ちなんだが、子供ができちまったら、このバカと結婚するハメになることになるから、実に気の毒だと思ったわけだ。
でも、俺、まともな家庭に生まれてよかった、とつくづく思ったぞ~。。。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする