たかのりだよ~。
つくばった大学の医学部受験を目指して日夜がんばってます。
受かるまで受けろ、と親に言われたので、来年以降も頑張る予定です。
もっとも、来年受ける時には、実力もあがっていることと思うので、もっとランク上をめざします。
細太郎のやつが、何を思ったか、一緒につくばった大学を受ける、と言いだした。
「医者になるんかい」
と聞けば、
「意地でもならない」
と返ってきた。
「とりあえず、農学部」
「だったら医者になれよ」
「いや、ならない」
「去年受けた大学にしないのかよ」
「あそこは、イメージ悪くなった」
「ああ、ゲス…ね?」
年明けからの芸能界の騒動を思い出して、うなづいた。
別に、大学が悪いわけでもないだろうに、あのキノコヘッドのバンド野郎を思い浮かべた。
「俺はあんな卑怯な男は好きじゃないんだよ。けじめもつけられないような奴がかかわった場所も歩きたくない」
うわあ、なんなのこの極端な性格。別に、あのハーフの三十路のファンでもないだろうに。
「彼女の方の肩を持つ気もないよ。ふたりそろって地獄に堕ちろ」
「おまえね…」
「地獄に堕ちろっていえば、清原も落ちちゃったなあ」
「おまえ、ああいうのは救わないの?」
細太郎は、赤本を閉じてシャーペンをくるくる回す。
「俺は地域医療を目指すの」
「ふうん。。。でも、まじで子供かわいそうだなあ。思春期だろ?立ち直るには相当時間かかりそうだね」
「いい友達がいるといいなあ」
「そうだなあ」
俺たちみたいに、と気がつけば地元には2人しか残っていない。他の3人は、現役で大学に入学し、たかのりとみきおはそれぞれの大学に入学し、同じ学生専用マンションに住んでいる。しんいちは合宿所だ。
人には人のすすむべき道ってあるんだろうな、と清原と桑田のドラフトをなぜか思い浮かべて、って、実際には知らないけど、なんとなくそう思った。
今度こそ、受かろうな。