細太郎です。
大学構内の池の水抜きますよろしく、バス駆除をしていたところ、どっかの釣りオヤジたちに絡まれた。
「いいからどけ」
「なんですか、誰ですか」
「どけよ」
「だから、誰ですか」
ずっと、この会話だ。
「釣りかよ、大学構内のこんな人口の研究池で釣りしようなんて、ちいせいオヤジどもだ」
大学生の一人が池の中で仁王立ちになり、中から掬い取ったバス入りのタモを振り回した。
「ほら、やるぞ、あんたらがどーせ放流したんだろ、バス」
オヤジの一人にべちゃっとバスがぶちあたった。
「何しやがんだ、このくそガキども」
顔面にバスがぶちあたったオヤジが、池の中に入ってこようとしたがヘドロだらけの池に入るのを躊躇した。と、そこへ、
「なあにをやっとるかね」
と、中島教授の声がした。
「吾輩の池に何か用事か?」
こ汚いむさいオヤジの出現に釣り人オヤジたちは、度肝を抜かれたような表情をして飛びすさった。
「くせええ、このオヤジ」
「おまえこそ、なにもんだ、ここは大学構内だぞ」
態勢を立て直したオヤジが、それとは知らず中島教授に向かって怒鳴りつけた。が、それを無視して、
「おい、おまえたち、先日盗まれた吾輩のチョイノリがそこに停まっているんだが、誰か乗ってきたのか?」
と、いったん戻ってきて黒のチョイノリを持ち込んできた。
「これは、俺のだぞ」
釣り人オヤジがチョイノリをつかみ取ろうとした。
「なにをいうか、吾輩がこの大学構内を講義のために移動するためにヤフオクで買ったチョイノリだぞ。ほれ、これみろ、吾輩のシールがはってある」
思わぬ展開に教授のチョイノリのタンクをみれば、目ん玉ぐるぐるしたオレンジ色のウサギもどきが貼ってある。
「動かぬ証拠だ」
「なんだ、ウサギのシールくらい目印に誰でも貼るわ!!」
釣りオヤジが、オレンジうさぎを知らないのか、チョイノリをぐいっと引っ張る。
「お前、このうさぎを知らんのか」
後ろにいたもう一人の釣りオヤジが、
「それはジャビットだ、ジャビット」
と、教えるも、マッドサイエンテスト中島がこれにはカチンときたらしい。
「ぶああかもん、ジャビットではない、ほれほれ、背番号は333だ。ジャビイだ、ばかたれがああああ」
「うるさい、なんでもいい、離せ、このホーム××めが」
呆れてこの様子を見ていたが、
「やっぱり、あんたたち、この大学の人じゃないですね、この人を知らないってことは…」
「あああ?」
「この人、教授ですよ、ここの」
正確には、孟宗学院大の教授なんだが。
「うええええ」
釣り人オヤジは、思わずチョイノリから手を離す。
「吾輩を知らぬとは、さては騙りだな、マッドサイエンテストプロフェッサー中島とは、吾輩のことだ」
てか、教授、いつもは吾輩だなんて言わないだろうがあ~、
と、ため息が出たところでやっぱりつづく、すまんね