こんばんは、へちま細太郎です。
部活が終わって、ぼくはしんいちのうちに泊まりに来た。 しんいちにはまだ小さな弟がいるんだけど、ぼくが兄弟がいてうらやましいと思った。
ところで、しんいちがDVDを持ってきて、
「ちょっとこれを観て」
と、出してきたのは“陰陽師”だった。
「こんなの観てどうするの?」
「あの憎たらしい坊さんをやつける方法を研究するんだ」
と、スイッチを入れる。
「陰陽師ってなんなんだよ、いったい」
「ああ、それなら…」
と、しんいちはたんすに置いてあった鏡を指差した。
「げっ」
鏡を見ると、鏡にうつっているのは、
「まろじゃ、久しぶりよのぉ」
と、近衛少将さんが鏡からはい出てきた。
「これ、しんいちよ、いい加減鏡を大きゅういたせ、まろが苦労するではないか」
ぼくは近衛少将さんを指差しながら、しんいちに視線を向けた。
しんいちは画面に目を向けたまま、
「いくら言っても鏡からはい出してくるのをやめないんだ」
と、頭を振った。
「たぶん、やめないと思うよ」
「何で?」
しんいちはぼくを振り返った。
「だって、鎧甲のおじさんはテレビから這い出してくるからさ」
「はぁ?」
ぼくらは共通のご先祖さまである近衛少将さんに、呆れた視線を向けた。
「まろが何をしたというのじゃ」
と、扇をパタリと閉じて、そっぽを向いてしまった。
しょうがねえなぁ、このミーハーな平安貴族は…。
部活が終わって、ぼくはしんいちのうちに泊まりに来た。 しんいちにはまだ小さな弟がいるんだけど、ぼくが兄弟がいてうらやましいと思った。
ところで、しんいちがDVDを持ってきて、
「ちょっとこれを観て」
と、出してきたのは“陰陽師”だった。
「こんなの観てどうするの?」
「あの憎たらしい坊さんをやつける方法を研究するんだ」
と、スイッチを入れる。
「陰陽師ってなんなんだよ、いったい」
「ああ、それなら…」
と、しんいちはたんすに置いてあった鏡を指差した。
「げっ」
鏡を見ると、鏡にうつっているのは、
「まろじゃ、久しぶりよのぉ」
と、近衛少将さんが鏡からはい出てきた。
「これ、しんいちよ、いい加減鏡を大きゅういたせ、まろが苦労するではないか」
ぼくは近衛少将さんを指差しながら、しんいちに視線を向けた。
しんいちは画面に目を向けたまま、
「いくら言っても鏡からはい出してくるのをやめないんだ」
と、頭を振った。
「たぶん、やめないと思うよ」
「何で?」
しんいちはぼくを振り返った。
「だって、鎧甲のおじさんはテレビから這い出してくるからさ」
「はぁ?」
ぼくらは共通のご先祖さまである近衛少将さんに、呆れた視線を向けた。
「まろが何をしたというのじゃ」
と、扇をパタリと閉じて、そっぽを向いてしまった。
しょうがねえなぁ、このミーハーな平安貴族は…。
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