
こんばんは、へちま細太郎
です。
慶子おねえちゃんが、
「バレンタインのお買い物するからついといで」
と、遊びに来ていたしんいちとぼくを無理矢理連れ出した。慶子おねちゃんに逆らうと、小学生のぼくらにもとって怖いってことがようやくわかってきたのと、機嫌がいいと必ずお土産つきなのでおとなしくついていくことにした。
ぼくとしんいちは菜々子の乗ったベビーカーを押して、人混みの中をスタスタ歩く慶子おねえちゃんのあとをのんびりついていった。
「バレンタインのチョコ
って、すごく高いんだね」
「本物のチョコなんだね」
ぼくらは、ウィンドウの中をのぞきこみながら口々に“おいしそうだねえ”と、つぶやいていた。
「本物のチョコって…、高ければ何でも本物かい」
慶子おねちゃんは、後で腕組みをして立っている。
「だって、味とか全然違うだろ。あきらかにこっちの方がおいしいもん」
しんいちの言葉に、溜息をついて、
「わかった、好きなもの買ってあげるから」
慶子おねえちゃんは、ケーキ売り場の前にきてぼくらを振り返った。
「ケーキ
だって」
「イチゴ
がたくさんだ」
ベビーカーの菜々子も、色とりどりのケーキをみて大喜びだ。
と、しんいちがぼくの袖を引っ張って、
「あれあれ」
と、おせんべい売り場を指差した。
「ハート
型だ」
「誰が食べるんだろう」
「義理チョコにちょうどいいね、割れちまったってかまやしないからね
」
慶子おねえちゃん、誰にあげる気?
「しんいち、今年は何個の予定?」
「細太郎こそ、はるみがどんなのくれるか、楽しみだろ」
「げぇ」
しんいち君の言葉に、目の前のケーキもまずく見えてしまった。
義理でも本命でも、バレンタインなんかこなきゃいいんだいっ
。

慶子おねえちゃんが、
「バレンタインのお買い物するからついといで」
と、遊びに来ていたしんいちとぼくを無理矢理連れ出した。慶子おねちゃんに逆らうと、小学生のぼくらにもとって怖いってことがようやくわかってきたのと、機嫌がいいと必ずお土産つきなのでおとなしくついていくことにした。
ぼくとしんいちは菜々子の乗ったベビーカーを押して、人混みの中をスタスタ歩く慶子おねえちゃんのあとをのんびりついていった。
「バレンタインのチョコ

「本物のチョコなんだね」
ぼくらは、ウィンドウの中をのぞきこみながら口々に“おいしそうだねえ”と、つぶやいていた。
「本物のチョコって…、高ければ何でも本物かい」
慶子おねちゃんは、後で腕組みをして立っている。
「だって、味とか全然違うだろ。あきらかにこっちの方がおいしいもん」
しんいちの言葉に、溜息をついて、
「わかった、好きなもの買ってあげるから」
慶子おねえちゃんは、ケーキ売り場の前にきてぼくらを振り返った。
「ケーキ

「イチゴ

ベビーカーの菜々子も、色とりどりのケーキをみて大喜びだ。
と、しんいちがぼくの袖を引っ張って、
「あれあれ」
と、おせんべい売り場を指差した。
「ハート

「誰が食べるんだろう」
「義理チョコにちょうどいいね、割れちまったってかまやしないからね

慶子おねえちゃん、誰にあげる気?
「しんいち、今年は何個の予定?」
「細太郎こそ、はるみがどんなのくれるか、楽しみだろ」
「げぇ」
しんいち君の言葉に、目の前のケーキもまずく見えてしまった。
義理でも本命でも、バレンタインなんかこなきゃいいんだいっ

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