こんにちは、ぼく、へちま細太郎です。
小学校4年生です。
夏休みに入っても毎日が雨ばかりでした。
藤川先生は、家にも帰らずぼくのうちにいそうろうしています。
何をしているかというと、前回お話したようにおばあちゃんと、愛犬のリカのお相手をしています。
広之おにいちゃんは、
「女好きもここまで来ると、尊敬に値するというか、いやはや…」
とにが笑いをしています。
元ヤンキーのなれのはて…。
夏休みの宿題は、絵日記と何か作品をつくってくること、そして、夏休みの学習帳です。
ぼくは通信簿の成績がよかったので、学習帳の方は毎日楽しく、決められたページを計画通り勉強しています。
勉強は好きです。
でも、絵日記と作品つくりは、にがてだなあ。
一度、おとうさんの書いた絵日記帳を見たことがありますが、ぼくよりひどい絵がかいてありました。
おとうさんゆずりか…。
一生、じょうずにならないな…。
がっくり。。。
藤川先生が、
「俺は得意だったぞ、ヤクルトでゴジラを作って持っていった」
と、得意げになって、
「どうだ、ヤクルト買ってやるぞ」
と、リカを連れて近所のスーパーに買い物に行って、ヤクルトどころか焼肉の材料まで買いこんできて、
「おかあさん、今夜は焼肉にしましょう」
と、おばあちゃんと2人で、やれビールだ、鉄板だ、と大さわぎをしていました。
ぼくのヤクルトは、どうしたんだろう…。
でも、藤川先生のおかげで、楽しい夏休みが過ごせそうです。
今度、藤川先生のうちに連れて行ってくれるそうです。お父さんが、
「あいつのうちはな、びっくりするぐらい広いから、細太郎迷うんじゃないぞ」
と、ぼくをおどろかして喜んでいます。広之おにいちゃんは、
「まあ、迷うということはないが、あいつの部屋を探すのは大変かもナァ」
と笑っていました。
実は、広之おにいちゃんも、昔は、ヤンキーだったんです。
ヤンキーだらけの学校の先生って、正直、ぼくは不安ですが、でも、最近、藤川先生のことが大好きになってきているから、ぼくも藤川先生みたくなってしまうかもしれません。
でも、聴診器で遊んだりしないからね…。
じゃ、また、あした。
将来は、余の家臣にしてやるゆえ、ありがたく思うように。