へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

細太郎、バイトする

2016-05-24 06:57:37 | へちま細太郎

おはよすへちま細太郎です。

大学生活も落ち着いて、俺とたかのりはバイトを始めた。
バイト先は、街を歩いていたら、花屋の人が撒いていた水が引っかかってしまい、びしょ濡れになったから、その花屋に決めてしまった。
なんてこったい。
とてもきれいなおばさんが、俺の顔をしげしげと眺めて、
「知り合いに似ていたからびっくりしちゃって」
と、お菓子だのコーヒーだの出してくれたから、
「はぁ」
と返ってこっちが恐縮してしまった。
花屋っていっても、むしろ種屋さんで、苗が大量に売られていた。人手が足りないんだそうで、俺とたかのりとで雇って貰うことにしたんだ。
「孟宗の中島教授のお手伝いをしていたの?なら安心だわ」
おばさんは、手を叩かんばかりに大喜びして、大歓迎してくれた。
どこで聞き付けたか知らないが、小栗先輩と水嶋先輩が顔を出して冷やかしにくるのには、参った。
もっとも、先祖代々美都一豪農を誇る二人には、苗の育成の方に興味があったみたいだが。
大学の合間に通うこのバイトは、自分にとっても勉強になるのでありがたかった。
ちなみに、誰に似ているんです?と聞いてみたら、驚くなかれ、またいとこの亮くんでした。昔、川に遊びにいって、かっこつけて海パンを投げたら川に流されてしまった、おっちょこちょいなやつだった。そのあとフルチンを写メに撮られるわ、ひいばあちゃんに叱られるわ、散々な目にあった。
「夏休みとかにたまに、苗木を軽トラで届けに来てくれるわよ」
軽トラ…。
あの亮君がねえ。
そのうち、再会できるかな。
楽しみだ。


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