八代将軍吉宗
葵三代 の 関ケ原の戦い
毛利元就
炎立つ
新選組!
平清盛
太平記
あとは、忘れた
へちま細太郎です。
久しぶりに学校に行き、タコ壺保健室で勉強しながらはるみを待っていた。
匿名希望の東山先生の顔面に、なんかこう傷あとがあるのは、突っ込んでいいのかよいのかわからないので黙っていた。
でもって、中島教授の、
「貴様、俺様の学部に入学するんじゃなかったのか」
と、首根っこをつかまれた。
「在学中に、推薦で受けた大学受けんのか?」
新婚間もない久保田が、愛妻弁当を食いながら卒業後の面談をしている。
「受けねえよ、もっとランクあげるし」
「じゃ、東大か」
受かるわけねえわな、とあくびをした。
「何なら、今から1週間、つきっきりで勉強みるぞ」
「はあ?」
「結果にコミットする」
久保田の納豆弁当のにおいと発言にぐったりきた。
「ああ、詰んだ」
あと一週間、俺、大丈夫かな。。。
ところで、まじで東山先生、その傷、どうしたんです?
はいよ、悠樹だよ。
あけおめっす~、鬼あったかいっすぅ~。
そんなわけで、クリスマスイブイブの天皇誕生日は、餅つき大会があって、大量の餅を丸めて翌日の藤川家の法要のために、おれたちは雑煮・汁粉を作らされた。
一体、俺の職業は何なんだ?
「しるか」
と、俺の同期の(仮)亀梨軍団彼女なしはラインで集められて餅つきをやらされ、気が狂ったように怒っていたが、バイト代が1日15,000出す、というふとっぱらなご隠居の一声で後輩の(仮)山下軍団までやってきた。
「先輩方は、彼女いないんですねえ」
という、子豚の非常に嫌味な発言にも、水嶋&小栗コンビの、
「黙れ子豚、チャーシューにするぞ」
の一括に大爆笑でのどかな1日になった。
それがだよ、年明けに何を思ったかご隠居が、
「オクラホマミキサーをやりたい」
と、わけわかめな発言をして周囲を焦らせた。
「ご近所の老人クラブの集合ですか?」
北別府さんがご隠居の顔色を窺うようにきけば、
「ばかもん、この間きただろうが、彼女なしの草食系男子どもが。あいつらのために、フォークダンスコンパをやる」
という答えが返ってきて、実孝さんはコーヒーを口から勢いよく吐き出した。
「実孝さま、大丈夫でございますか?」
北別府さんは、実孝さんに気配りな声をかけたが、
「いいからいいから」
と、実孝さんは首にかけていた千葉ロッテのタオルで、吹きこぼしたコーヒーを拭く。
「ご隠居は、年明け早々の三太郎のCMに毒されただけだから気にしないで」
「は?三太郎、それはなんでございますか?」
謹厳実直でテレビはNHKオンリーな北別府さんに通じるわけはない。
当然、携帯もキノコの会社のガラケーを使用中だ。
「とくべつじゃない えいゆうじゃない みんな~のうえにはそらがある~」
女の子にもてたいためにバンドを組んでいた実孝さんは、AIのあの歌を見事に歌いだした。
事務の女性たちや売店のバイトの子たちも、目をハートにしてのぞき込んでいた。
おいおい。。。
「それが、三太郎で、オクラホマミキサーなんでございますか?」
実孝さんは、せっかくの美声を台無しにされて渋い表情だ。
この人は、決して従業員の前では”素”を見せない。見せたら、みんな手を付けられて、修羅場だわ。
それでも、
「北別府さんには、まあ、わからないかもな。でも、ご隠居さま、無理ですよ、みな立派な社会人だから」
という言葉にご隠居も、ふんと鼻を鳴らした。これは、あきらめた証拠だな。
しかし、事務所を出た俺の後から追っかけていた実孝さんは、
「あの、オクラホマミキサーな、別にご隠居の合コンじゃなくてもいいから、設定しろよ」
と、肩を組んでささやいてきたのには、参ったよ。
けっ、なあにが賢弟愚兄だよ。この兄にしてこの弟ありだよ、と俺はつぶやき、
「七面鳥のばかやろー」
と叫んだのであった。。。
*オクラホマミキサーの原題は、「藁の中の七面鳥」。
こんばんは、へちま細太郎です。
おばあちゃんが、BSで妙な映画を見ていた。
「なんだこれ」
「あん?」
おばあちゃんは振り返りもせず、
「犬神家の一族」
と、答えた。
あ~、あれか。
佐清だな。中学時代、さかさまになってよく遊んだっけ。
で、つい座り込んでみてしまった。
「金田一耕介って、生涯独身なんだよね、確か」
剛兄ちゃんの嫁さんがボソッとつぶやいた。
「へ?だって…」
「昭和40年代のころには、まだ独身だったはず。ということは、はじめちゃんは何者?」
おお、さすがキャリア、いうことが違う…て関係ないか。
この場合は、読書量がものをいうんだな。
「警視庁の明智警視に聞いてみたが、『くだらないことに首突っ込まないで、業務をこなしたまえ』と叱られた」
げっ、何言ってんの?
俺があきれて嫁姉ちゃんを見れば、
「なあんてな」
と、けたたましく笑い出した。
う~、あんた、松子夫人に見えるよ~。
って、え~、もうすぐ12時じゃねえか、この映画3時間近くもあったのかよ~。
くそ、じっちゃんの名に懸けて、大学合格しなくちゃなんねえのに。。。
おっと、じっちゃんて誰だ?
と、うちのおじいちゃんは、とっくの昔に寝ていた。
最近、寝つき早いな。。。
「じじいだ、当たり前だ、なっとらんがの」
そういって、空中で胡坐をかいてた、鎧兜のおじさんは、くるりと回った。
おじさああん、頼むから正月くらいは帰ったらあ、もう。。。
って、言ってる場合じゃあねえ、やべえやっべえ。。。
こんばんは、へちま細太郎です。
お正月は、剛お兄ちゃん家族が、少し遅れてかえって来ました。
お正月は出勤だったらしい。
奥さんは、
「今年はサミットがあって、忙しい」
と、去年生まれた女の子のすみれをぼくにだっこさせてくれた。
すみれ…って、恩田すみれかよ。
「ほんとはシャーロットってつけようかと思ってたのよ~」
と、俊作のつまみぐいをぶんなぐって止めながら話した。
この人もなんだなあ
それより、ねえ、俊作泣いてるって。
剛お兄ちゃんも、警部に昇進して忙しさも倍増し、奥さんも何とか庁に移動になって剛お兄ちゃんより忙しそうだ。
シャーロット、じゃなくてすみれは奈々子がかわいいかわいいと、ほおをすり寄せている。
「俊ちゃんはいいねえ、かわいい妹がいて」
小学生の奈々子は、兄弟がほしくてたまらないらしい。だから、俊作も実の弟のようにかわいがっている。俊作も、泣いていたのをやめて奈々子にべったりだ。
「ねえ、パパ、いつになったら妹か弟をプレゼントしてくれるの」
と、大声でこたつでえらそうに寝ている慶子お姉ちゃんに尋ねた。しかし、寝たふりで無視。
仕方なく広之お兄ちゃんを見れば、
「名前は決まっているぞ、男の子ならジョージ、女の子ならシャ…」
と、言いかけた時にミカンが飛んできた。
「やかましいわ、こら」
慶子お姉ちゃんのどすの効いた声に、俊作は目をパチクリ。
「あ~ん。けいこちゃああん」
元ヤンキーも形無しだね。と、奈々子を見れば、ため息をついていた。
なかなか両親を冷めた目でみている小学生でした。。。
あ~、それより、センターが迫っている~。。。
こっちの方が切実。。。