姫先生のおめめ

25年間の養護教諭の経験と脳科学、波動理論から引き出すレジリエンス向上について書いています。

脳を活性化させるアウトプットの方法

2024年05月24日 | 保健室コーチング

こんにちは
(一社)ハートマッスルトレーニングジム代表

桑原朱美です。

 

今日のテーマは
「脳を活性化させるアウトプットの方法」です。

 

知識やスキルを学ぶことは大切なこと。
ただ、「学ぶ」という言葉はとても抽象度が高く、人によってとらえ方は違います。
どんなマインドで、どう学ぶのかが、その人の成長の質を変えていきます。


教師が授業をする、あるいは研修講師が講座をするときにも、
その違いは明確に現れます。
『学ぶ=知識とスキルのインプット』と思われがちですが
実際には、インプットばかりでは、学びは定着しません。
 

物知りにはなれますが、深く理解するということができていないと
その知識に当てはめて「それは違う」「私はこう学んだ」と変な反応ばかりしてしまうことも。
学んだこと、聴いたことの言葉そのものを受け取って知識にしていると
知識の量が人へのジャッジにつながることもありますね。
 

脳科学では「脳は、アウトプットが大好き!」といわれます。

学びを仕事や人生に生かす為にも、
効果的なアウトプットは不可欠。

では、アウトプットって、何をすればよいのでしょう?

 

テキストや講師が話したことを、一字一句完コピするというやり方は
アウトプットとは言えません

 

なぜなら、アウトプットで起きる問題は、傾聴で起きる問題と同じだからです。
え?どういうこと

テキストの内容を丸々伝えたとしても、伝わっていません。
自分が受け取ったこと(=自分の勝手な解釈)を伝えることになります。
 

脳科学傾聴でも、
『人の言葉はどんなに丁寧に話しても、常に不正確である』ことを原点として
話を聴きます。

私たちは、体験を100%言語にすることはできないからです。
相手の言葉がもつ体験と自分が受け取ったものは同じではないのです。
 

私たちは、人の話を聴く際に、
相手の言葉を自分の体験経験に照らし合わせて、相手の話を解釈します。
その仕組みがあるから、脳科学傾聴では「確認」を大切にしています。
 

さて、何が言いたいのかわかりますか?

新しいことを知識として得たからといって、
それをそのまま誰かに伝えると、
相手の勝手な解釈によって
まったく違うものとして伝わってしまうことがあります。

 

これって噂話が広がっていくうちに
どんどん話の本質から離れていくのと同じです。
 

保健室コーチングを学んだからと言って安直に誰かに伝えることを禁止しているのは
コンテンツ保護や著作の問題や相手の成長の問題など
いくつかの理由がありますが、

「間違った方で伝わってしまう危険性がある」ことも大きな理由です。
 

アウトプットとは、学んだことをそのまま誰かに伝えることではありません
プレゼンテクニックを駆使することでもありません。

ここで、桑原の学生時代のお話を少し。
 

大学生の時、家庭教師をしていたことがあります。

病気で半年登校できなかった小2の女の子の
遅れを取り戻すため週1のバイト。

低学年なので、説明したり、ドリルばかりでも飽きてしまいます。
そこで、「Aちゃん。学校ごっこやろう。今日やったこと、今度はAちゃんが先生役で私に、教えてよ」
という提案をしたことがあります。

「やるやる!それ、面白そう」といって、さっそく先生役で、説明してくれました。
これは、とても効果的でした。
Aちゃんは、自分が受け取ったことを、再構築して言語にします。
自分の言葉で伝えてみると、自分がわかったつもりだったことを理解できます。

これはとても楽しかったらしく、私が帰った後も、お母さんを相手に
先生ごっこをしていたそうです。


「そうか、人に伝えればいいんだ!」
と、安易な考えて受け取らないでほしいのです。

人前に立つ方々には、もう少し深く理解してほしいのです。
 

同じように誰かに伝えても、
お互いが成長するアウトプットと成長できないアウトプットがあります。


インプットしたことをそのまま誰かに伝えるのは、意味がありません。
自分の言葉で、自分の体験と学びとつないで、再構築するという作業が必要です。

そのためには、まず、自分がたくさんの実践をする必要があります。
知識を得たから誰かに伝えたいと思うのは、
実は単なる自己顕示欲なのかもしれません・・・
 

東京大学の中原淳先生は、
『インプットとアウトプットの間には、スループット(思考する)ことがあり
それが学びにとってはとても大切だ』とおっしゃっています。
 

アウトプットの第一段階は、学んだことを自分が実践すること
誰かに伝えることを目的とした学びはどこかで限界を迎えます。

どんなプレゼンテクニックを使おうかなど
ノウハウやテクニックばかりに焦点が当たります。

 

大切なのは、上手にやることではありません。
学んだ知識や原理原則を伝えることではありません。

伝える相手の無意識レベルにある現場の体験や日常の経験を呼び起こし
ちゃんとリンクさせていくことです。
 

例えば講座で語られたこと、本に書かれたことは
講師や著者のたくさんの体験経験から導き出された
原理原則であり、名言であり、法則であり、言葉なのです。

 

無意識20000の部分にその体験経験から生まれた言葉はわずか1です。
その1を誰かに伝えたところで、相手には知識としてしか伝わらないのです。
 

大切なのは、その20000の部分を理解すること。
自分で実践し体験すること。

インプットとアウトプットの間にある『思考』の部分はそこから始まります。
それが、聴き手の共感を呼ぶのです。
 

どうやって伝えるかというノウハウの前に、そこに至るまでの「過程=思考の深さ」こそが、授業や講座の違いとなって現れます。
 

机の配置は、ロの字がいいとかスクール型がいいとか、
こういうものを置くといいとか、
そんな枝葉のことは二の次なのです。
 

上手にアウトプットできても、深い思考が伴わない人、
聴き手の体験経験とつなぐことができないのはとても残念なこと。
 

バラバラになっているものを、再構築し
様々な視点でまとめ直すという超めんどくさいことをやるかどうかの違い。
誰かがまとめたものを、説明するだけなら
それは、『思考を伴わないアウトプット』
誰かの思考で生み出したものに飾りをつけただけの
すっからかんのモノ。
自分にとっても相手にとっても生きて働く力量となりません。
 

インプットしたものを、どれだけ自分の体験経験とつなぎ合わせて
再構築したか、脳みそが沸騰するくらいまで考え抜いたか。
 

考えて書き出してまた考えて・・・

一旦出来上がったものを再度バラバラに壊して
もう一度、組み立てるという作業をめんどくさいと思うなら
それは、思考していないということ。
 

思考を繰り返して「あ、そういうことか!」と
ふっとつながった感覚!アハ!体験。
その時に、あなたの脳は、めちゃくちゃ快感を感じるのです。

 

近道ばかりを選んでいると、脳はどんどん怠け者になります。
子どもたちに主体性を育てたいと思うなら
まずは、大人自身が「学び」とは何か「アウトプットとは何か」を
問い直す必要があると思います。 

 

それでは、今日も素敵な1日を!

 

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